クリエPEG-TH55(Sony) 2004年
紙の手帳として進化したClie。
Clieを手帳として考えた場合以前紹介したPEG-TJ25でPalm本来の基本形に戻り、本機が手帳としての最終バージョン。(ストレート型として)
クリエオーガナイザーは紙としての使い勝手を目指したアプリケーションで本機も紙手帳(システム手帳)を目指していた。
液晶部はアクリルカバーで覆われ、アルミフレームのボディはマット塗装されていてシンプルで質感は高い。
基本的な機能は正面のショートカットキーでカバーしキーボードは未搭載でペン操作のみ。 9341
正面左側に操作系スイッチが集中的にレイアウトされていて、片手(左手)で持つと操作できてしまいます。
逆に右側はなにもなく、左側(親指のみ)で操作ができる。
無線LAN、カメラなど押さえるべき機能はしっかりと装備されていたのも特徴。 9347
背部はカメラ(31万画素CMOS)とその上部にジョグダイアルを装備。その脇にBACKボタンを装備。
本機はペン操作を基本にこのCLIE Organaizerによりワンタップで操作できるのが特徴。
CPUはUX50から搭載されたソニー製のARMアーキテクチャプロセッサであるHandheld Engine。登場した当時は消費電力も少なく、レスポンスもよかったが本機のアプリケーションレベルでは厳しい。(特にこの手書き文字の表示は遅い。)
オーディオデバイスとしても優秀でした。
本体スペックは
OS:日本語版Palm OS(R) 5(Ver.5.2.1)
CPU:ソニーHandheld Engine 123MHz
メモリー(RAM/ROM): 32MB
インターフェース: USB、ワイヤレスLAN(IEEE802.11b)、赤外線ポート、“メモリースティック”スロット、ヘッドホン・ステレオミニジャック
ディスプレイ:バックライト搭載半透過性TFTカラー液晶ディスプレイ
表示解像度/表示色:320×480ドット/65,536色
外形寸法: 約幅73.3×高さ121.5×奥行き15.7mm
質量:約185g
この時期はSony(CLIE)はCLIEを様々なコンセプトにトライしていました。
PDAとしての機能を追求したTH55。新しいPDAの形を提案したUX50。動画再生を重視したVZ90。
本機は高解像度の液晶と進化したCLIE Organaizerによってスケジュールやメモ帳に手書きで書き込める電子版の紙を意識したデバイスでした。コンセプトはまさに”紙”でしたがハードウェアのレスポンスとデバイス自体の重さがネックでした。
しかしこのスタイルが本来CLIEが目指したものでありPDAとしての完成の域に達したデバイスでした。残念なのがこれらのデバイスのニーズがPDAだけではなく通信も含めたスマートフォンであったことでありこのコンセプトをSonyがXPERIAに反映できなかったことです。
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