PC-9821Lt/540A(NEC) 1995年の場合
前回修理したPC-9801NL/A120と当時に引き上げてきたマシン。
これも以前紹介した記事(2015.02.26)から実家に置きっぱなしだっで当時の記事写真をみるとすでに偏光フィルムの劣化は始まっていた感じですがそのまま8年放置するとこのような結果に。

ビネガーシンドローム状態。PC98は所有数が少ないので初めて。

PC-9801NL/A120とは違って電源は入り、起動します。

ただしボディ周りが緑色の腐食が見られるので怪しい。

偏光フィルム以外は問題なくWindows3.1も起動しましたがキーボードが暴走気味。 6009

液晶フィルムの劣化はそれほど進んでいない様子ですがやはり見にくい。

分解してみました。PC-9801NL/A120のようなバッテリーボックスから炭酸カリウムはボディに浸食していませんが怪しい状態でした。

外したバッテリー。酷くはないのですが液漏れの後があります。

バッテリー周り。やはり液漏れ状態だったようです。

キーボードを外した状態、一部浸食したのでしょうかキーの効かないところがあります。

本題の液晶の取外にかかりました。PC98NOTEはあまり分解経験がないので手探り状態。
まずは両脇にあるヒンジカバーを外します。これで手前のフレームが外れます。VAIOのようにゴムの隠れネジはありませんが、ネジ2本以外はフレームのフックで止まっているのでゆっくりとバキバキやりながら慎重に外していきます。

手前のフレームが外れた状態。

液晶自体は4箇所のネジで外れます。コネクターは信号用とインバーターの2本を外します。

外れた状態。この状態から変色した偏光フィルムを剥がしていきます。

変性の状態によりますが偏光フィルムの糊が問題、これも経年劣化し変性していて剥がすのに1時間程度を費やしました。

剥がし終わった残りをいつもの糊剥がし剤を使って取り除きますが意外と剥がれず有機溶媒の匂いで大変でした。(換気扇の下での作業) 6021

このパネルは偏光フィルムの糊が問題でうまく剥がれず有機溶媒を浸しながらカッターで剥がすこと更に30分。やっとキレイなガラスが見えてきました。

本体に取り付けてみます。(映り込んでいるのは壁のTV)

電源入れてみます。

偏光フィルムを当ててみます。


偏光フィルムを液晶のサイズに切り取り、貼り付けた状態。

内部基盤。ここはダメージがない様子。

本機は前回紹介した98NLのCPUがi486SXから高性能なi486DX(コプロセッサ機能 (浮動小数点演算ユニット (FPU)を搭載)に変更されています。基盤は2層構造になっていてメインボードと表示系に分かれていました。

とりあえず元に戻った状態。クリーナーで腐食部を取り除きボディもきれいになりました。このPC9821LTは予備機を持っていましたが、これもビネガー状態でしたので修復中です。もうすぐ完成なので次回は2台紹介します。

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