SA-C07(Technics) 1981年 119,000円
カセットデッキ、FM/AMチューナーとアンプを濃縮させた一体型ステレオコンポ。
私が中学生の頃に買ってもらったスピーカーを左右にドッキングさせることもでた大型のラジカセ。
正面から見るとデッキ部、チューナ部など独立して見えますが一体型。
久しぶりに実家から持ってきて汚れを落として動かしてみようと思いましたが電源を入れようとしたところスッチ部が陥没してしまい起動せず、スイッチ部はプラスチック部が折れていたので接着剤で固定。
分解してみましたがネジ類も多くここまで来るに結構大変でした。
購入してから始めて開けるので基盤の40年近く溜まったホコリが凄い。エアダスターで取り除き、基盤部は接点賦活剤を噴霧。
特に中央のデッキ部は念入りに洗浄しました。このデッキはダイレクトドライブなので劣化によるゴムベルトの必要はありませんがモーターが若干トルク不足。
本体は上部からFM/AMチューナー、アンプ部、式カセットデッキの構成となっています。
チューナー部はクォーツシンセサイザ方式を採用し、安定度の高い同調を実現していました。
FM/AM各6局プリセットやラストワンメモリー、FMミューティング/モードスイッチなどの機能を搭載していました。
アンプ部はつの高集積ICと1トランジスタのシンプルな回路構成で、出力はAC動作時で20W+20W、DC動作時で10W+10Wの高出力。
入力はカセットデッキ、チューナー、アナログプレヤーのみとなっており外部からの入力環境は持ち合わせていませんでした。したがって録音ソースはカセットはFMチューナーからのエアチェック(もう死語かもしれません)、アナログプレヤーに限られていました。アナログプレヤーはSL-10(別売)を使用していました。
カセット部は2モーター式フルロジックタイプで高域特性に優れたSPヘッドを採用。
持ってきたときにカセットが動くか一番心配していましたがイジェクトが少し遅いだけで、再生/録音は可能で驚きました。
このサイズにしてメタル対応でノイズリダクションとしてドルビーBを採用。消去用に3ギャップフェライトヘッドを採用、2モーター・ICロジックメカニズムを採用しています。
デッキ部操作部は右側に集約、インジケーターはLEDでその下にドルビーNRスイッチ、ビート解除スイッチ、カウンター等を配置。主要なボタンは電磁式。録音はボリューム式。
駆動にゴムベルトを使用せず、キャプスタン用、リール駆動用それぞれに専用モーターを設け、より正確なテープ走行を実現していました。
カセットデッキは ゴムベルトを使っていないため劣化がありません、今でも若干モータートルクが足りない気がしますが再生しました。音質はハイエンドのデッキには及びませんがスピーカも性能もあり抜けのいい音を再生してくれます。
下部は電源、ヘッドホン端子、バッテリーインジケーター。左側にはマイク入力端子もあります。
上部はロッド式アンテナ、持ち出しも想定したアームもある構造。
背部です。
FMアンテナ端子、スピーカー端子、アナログプレーヤー用の端子です。SL-10と接続していました。その下はメモリ保存用の単三電池ソケット。
下部は持ち出し用の大型バッテリースロットがあります。
スピーカー(SB-F07)は別売でした。1本10,000円
スピーカーも同様のデザインで構成されていてチューナー部、アンプ部、デッキ部を直線的でモダンなデザイン。
コンパクトながら高効率・高耐入力を持つスピーカーで低域には18cmコーン型ウーファーを搭載していました。
ユニットには口径75mmの大型マグネットを用いられていて、サイズ以上の低域再生を実現しています。
筐体はアルミ合成の緻密なデザインと質感がありました。
スピーカー(SB-F07)ともデザインが統一されていてモダンで直線的なデザインです。
久しぶりにFMラジオとカセットを聴いてみましたが、現在のようなハイクオリティの音質ではなく、レンジも狭いですがアナログデッキの重厚で懐かしい音を奏でてくれます。
またボディにはアルミニウム合金、ステンレス加工されたボリュームも質感も高くクオリティが高いラジカセ?(ミニコンポ)でした。
80年代の一体型のデバイスとしては各機能は独立十分な性能なコンパクトコンポシステムでシルバーを基調としたモダンなシステムでTechnics(Panasonic)がコンポシステムに力を入れていた1台でした。
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