アーケードゲームメーカーのセガ(SEGA)が初めて発売したコンシューマ向けPC。
スペック的には当時のコンシューマーPCでCPUにZ80またはその互換(本機はNEC μPD780C)で4MHzのクロック数、RAM16Kb〜48Kbあたりで各メーカーの個性的なPCが多く発売されていました。
本機もゲームメーカーであるセガが開発、発売しスペック的には突出した物がありませんが価格が29,800円とかなり安い価格設定を起こしたPCでした。
セガのゲーム機?(PC)を持ち出すのは久しぶりでした。久しぶりにゲームカセットを入れて電源を入れて見ました。パイロットランプは点灯しましたがゲームが起動しませんでした。
この世代のゲーム機は私がブログ始めた初期にSEGA マークⅢを紹介して以来です。本機はマークⅢ以前のセガが本格的に家庭用ゲーム機に参入した初めてのマシンでした。
当時のゲームカセットも状態はあまり良くありませんが残っています。
電源は入るのでとりあえず中を見てみました。内部は大分コストを抑えていること空もシンプルな構造で、今では考えられませんがリード線で一部繋がっています。
通常は半田のクラック、コンデンサ漏れをまず確認にしますが、この基板は特に問題がありません。接点賦活剤を少量噴霧しただけで原因が判りませんでした。
映像出力系も見直しましたが特に問題が無さそうで一旦一晩放置しました。
翌日、VRAMあたりを見回しましたが原因が判らなかったのですが、RFユニット内部を無水アルコールで洗浄し、接点賦活剤を噴霧したところ映像が出力。
原因がこのRFユニットなのかは不明です。しかしRF出力が回復したら、コンポジェットも出力しました。
ボード正面右側には当時のPCの価格破壊を起こしたのは19981年発売のNEC PC-6001でしたが同じCPU(NEC μPD780C)が見えます。この構成で価格は1/3でしたので当時は非常に驚いた記憶が残っています。当然のことながら価格を抑えるためにシステムプログラム(BASIC)は別売りのカートリッジで提供されるなど制約はありました。
このPCが凄かったのはゲーム機メーカーが作っただけあり、対応ゲームが多数発売されセガのオリジナルだけでも66タイトルものゲームが用意されていました。
コンセプト的にはPCというよりもゲーム機色が強く、BASICでプログラムよりセガゲームカートリッジでゲームをプレイするのが主流だったのかもしれません。
キーボードはこれも当時の流行?というかコスト的なものかゴム製キーボード。(PC-6001、JR100、200,M5あたりはどれも同じようなキーボードです。)これで長いBASIC文を入力するのにはかなりの根気がいります。
本体左側はジョイスティック端子。マークⅢのものが流用できます。
背部のインターフェイス類はRF宿号、コンポジットビデオ、モノラル音声、カセットテープ、プリンター端子です。
本体右側にはカートリッジスロット。
本体スペックは
CPU:MPD780C-1(Z80A互換)3.58MHz
ROM:8Kバイト(最大48Kバイト)
RAM」18Kバイト(最大32Kバイト)、VRAM 16Kバイト
グラフィック機能:テキスト表示:最大40字✕24行
グラフィック表示:最大256✕192ドット・16色
スプライト表示:32スプライト/画面、4スプライト/ライン
サウンド出力:DCSG音源 6オクターブ3重和音+ノイズ1音(SN76489A)
インターフェース:RF宿号、コンポジットビデオ、モノラル音声、カセットテープ、プリンター、カートリッジスロット
本機を購入した時に専用の大型の純正ジョイスティックがあったはずですが見当たらす、マークⅢ用のジョイパットで代用。
せっかく起動したのでいくつか当時のゲームを動かしてみました。まずはパチンコ。 609
操作自体はシンプルですがその分面白い。スタート·ポタンを押すと、TYPE-1、TYPE-2、TYPE-3と画面に表示きれるのでジョイスティックでTYPEを決定すると始まります。
玉の強さはジョイスティックハンドルを動かし、球の強さが調整できます。
フリッキー。1984年アーケードゲームからの移植版。フリッキーを操作する横スクロールゲーム。
迷子になったヒヨコを回収し、家に連れ帰るゲーム。画面内に配置されたヒヨコを全て家に連れ帰るとクリア。敵に触れるとミスとなります。結構難しい。
ホーム麻雀。私は麻雀をやらないので画面だけ。
チャンピオンテニス。初期のテニスゲーム。
コート内はかなりカラフルです。なぜかダウンザラインのショットが全てアウトになっり、キャラクターをなかなか上手く操作できず、なかなか勝てない。現在のTopSpin 2K25(PS5)より難しい。
芹沢八段の詰将棋。これもアーケードゲームからの移植版。
初級、中級、上級から選び、詰め将棋を解いていく。
チャンピオンベースボール。これもアーケードゲームからの移植版。
ハード的に大変なのかゲーム全体のスピードが遅く、ボールを打ってもヒットなのかアウトなのか判りにくい。しかし意外とハマってしまいます。基本的な投げる、打つ、一応守るのシンプルな操作。
コンゴ・ボンゴ。
ドンキーコングによく似ている感じですが主人公が大きなゴリラ(ボンゴ)を追いかけながら岸を上っていくゲーム。落ちてくるココナッツや厄介なサルが邪魔します。ゲーム自体のグラフィックは質が高い。
本機はセガがゲーム用PCとして初めて発売したデバイスでしたが、時間を待たずして任天堂ファミリーコンピューターが発売され、同様にBASICを使用できる環境もあったのでセガの優位性はそれほど長くはありませんでした。80年代はセガと任天堂、NECを中心に家庭用ゲームを大きく進化したことは間違えなく、本機以降もマークⅢ、マスターシステム、メガドライブなど様々なゲーム機が多く登場した良い時代でした。 この後に15年ぶりにセガマークⅢも持ち出してきましたが同様な経年劣化が起こっていました。
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