VDH(Video High Density Disc)方式のビデオプレヤー
本機はレーザーディスクの非接触方式の比してVHDは静電容量方式・接触式が特徴。ナショナル(Pnasonic)が作ったので当時の愛称は”DiskLord”。ちなみにビデオデッキは“マックロード”でした。
本機は標準タイプの再生専用機。高級タイプはMSX(PC)と接続し前々回紹介したスーパーインポーズを使った画像合成によるゲームも可能でした。
VHDは国内各社が参加。VHDの圧勝になるものと予想もあり、特にナショナル(現在のパナソニック)とビクターはかなり力をいれていました。
特徴は本体正面に10キーを配置。チャプター入力が可能でした。また当時はカラオケ用ディスクも多く、カラオケ機能も充実していました。
背部はシンプル。映像、音声のピンプラグにVHF入出力用のF型ジャックのみ
通常は挿入口はカバーで閉まっている状態ですが電源を入れるとカバーが解放されカートリッジが挿入できます。
この挿入カバーを持ち上げが経年劣化(ゴムベルト)により持ち上がらずカートリッジが挿入できない状況でしたの交換を試みました。
ボンネットを開け正面左下にローディング用のギアが見えます。
上部からはアクセスが出来ないため下部のカバーも外します。
ローディング用モーターとゴムベルトを交換します。
これにより電源を入れるとスムーズに扉が開きカートリッジが挿入可能となりました。
VHD方式はスロットイン式の挿入口にカートリッジを挿入するとディスクだけが内部に装着される仕組みです。
カートリッジを挿入し引き出すと光ディスクが本体のテーブルに設置され、カートリッジだけが取り外されます。
再生することにより写真の左側の再生ピックアップ(針)が映像を拾っていきます。
イメージ的にはレコードに映像を入れ込んだような仕様。
読取り用の針(電極付ダイアモンドセンサー)が直接接触するためにディスク自体はカートリッジに入っています。(分かりにくいですが赤丸が針)
何枚かあるVHDディスクをを再生してみます。
ブラウン管のほうがきれいに映りますが走査線映ってしまうので液晶で再生します。 1402 2152
映像を再生してみました。
水平解像度が240本前後と当時のビデオテープの標準画質とそれほど変わらない映像です。
LDやS-VHS、Hi-Bandβには映像的にはどうしても劣っている感じです。 2181 2186 2193
本体スペックは
出力信号方式:NTSC方式
使用ディスク:VHD方式ビデオディスク両面最長2時間再生
再生ピックアップ:電極付ダイアモンドセンサー
VHS入力:VHF1~12チャネル75ΩF型ピンジャック
VHF出力:1または2チャンネル切替式75ΩF型ジャック
映像出力:1VP-P 75Ωピンジャック
音声出力:2チャンネル、ピンジャック
消費電力:28W
外形寸法:高さ10.5×幅43.0×奥行37.8㎝
重 量 :本体約9.9Kg
当時「絵の出るレコード」は長年の夢でした。光り輝くレーザーディスクに対してVHDはカートリッジで中身が見えないこともデメリットでした。また非接触方式・光学式のレーザーに比して、VHDは静電容量方式・接触式でレコードの延長のような規格で画質的にも差があり光ディスクとして魅力が乏しく感じられました。
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