CAMEDIA C-1400L

カメラ

デジタル黎明期に誕生した本格的デジタルカメラ3選 
CAMEDIA C-1400L

OLYMPUS CAMEDIA C-1400L 1997年                          rewrite

初めてメガピクセル(141万画素)クラスの高画質を実現したデジタルカメラ。
当時のコンパクトデジタルカメラ市場では30万〜40万画素程度が主流だった中、C-1400Lは141万画素という圧倒的なスペックを掲げつつ、標準価格128,000円という現実的な価格設定で登場しました。
また私が購入した初めての一眼レフ型デジカメラでもありました。実際にはプロ向けのデジタル一眼レフカメラ(コダックや富士フイルム製など)は、ボディだけで約90万円を超える超高額なシステムでした。 
オリンパスは当時一般的な35万画素CCDの約4倍の面積を持つ「2/3インチ 141万画素プログレッシブCCD」を搭載し、なおかつ銀塩(フィルム)カメラで培った光学技術を惜しみなく投入した一眼レフ構造を採用しながら、12万8,000円という画期的な普及価格で市場に投入したのです。これにより前に紹介したCanon、SONYなどが一気に参戦してきました。 

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外観 L字型ボディという個性的なデザイン

外観上の大きな特徴が、右手のグリップ部が大きくせり出し、レンズ鏡筒と並行になる独特のL型(エルシェイプ)ボディでした。これは、オリンパスが銀塩フィルム時代に一世を風靡したオートフォーカス一眼レフLシリーズのDNAを色濃く受け継いだデザインでした。 
このデザインは大きなズームレンズをしっかりとホールドし、手ブレを防ぐための人間工学(エルゴノミクス)に基づいた必然のフォルムでした。 ボディの質感はプラスチック系素材を中心とした実用的な構成でした。
本機の最大の特徴は普及型デジカメの常識を打ち破り、2/3インチ・141万画素 原色プログレッシブCCDを搭載した点です。現在でこそ数千万画素が当たり前ですが、1997年におけるメガピクセルはまさに魔法のようなスペックでした。最大記録解像度は1280×1024ピクセル(SXGAクラス)に達しました。1,280×1,024ドットという解像度は、当時としてはL判〜2L判程度のプリントにも十分耐えうる水準であり、当時の一般的な認識を覆すインパクトを持っていました。
さらに、当時の普及機で一般的だった補色フィルターではなく、細部まで鮮明でクリアな色再現が可能な原色フィルターを採用していました。CCDの解像度が上がれば光を集めるレンズの性能が問われます。オリンパスは自社の強みである光学技術をフルに活かし、35mm判換算で36~110mm相当となる光学3倍ズームレンズ(F2.8~3.9)を搭載しました。 
非球面レンズ1枚を含む大口径ガラスレンズ7枚を使用し、レンズは焦点距離9.2〜28mm(35mm判換算で約36〜110mm相当)、開放F値F2.8〜3.9の光学3倍ズームで、フォーカスはTTL方式のフルオートフォーカス、測光もCCDによるTTL中央重点測光とスポット測光を備えていました。 
C-1400Lは、コンパクト機で主流だった実像式ファインダーではなく、レンズを通った光を直接見る「一眼レフ方式」を採用しました。一般的な35mmフィルム一眼レフのような跳ね上がり式のクイックリターンミラーは持たず、独自の小型プリズムを用いた構造でした。 
操作系は右側グリップ上部にはコントロールパネルにシャッターボタンと、それを囲むようにズームレバーが配置されています。主要な操作系が右手の親指と人差し指の届く範囲に集約されており、ファインダーを覗き込んだまま直感的に操作できる洗練された配置です。ズームレバー付きシャッターボタン。真ん中に電源ボタンがあります。 
電源スイッチはシンプルで銀塩一眼のようなダイヤル式ではなく、プッシュスイッチタイプ。 
隣は情報を表示するモノクロのサブ液晶が配置されています。 
グリップ部は経年劣化に注意が必要。本機もグリップ部に割れが入っていて補修してあります。 
グリップ側面、電源は単三電池4本で稼働しますが消費が激しいことも課題でした。 
スイッチ類はディスプレイ/スポットボタン、フラッシュ/自動再生用ボタン、マクロ/プリント、セルフタイマー/消去ボタンが配置されています。
背部になります。右側にメニューボタン、カーソルボタン、OKボタンがあり、更に右側はスマートメディアの挿入スロット。  
左側はファインダーと1.8インチのTFTカラー液晶モニター。メニュー画面。それほど多くなくシンプル。
一眼レフなので当然ファインダーからの撮影になりますが液晶モニターを見ながらのライブビュー撮影はできず、撮影時はファインダーを覗き、液晶は撮影後の確認に使うというスタイルでした。 
グリプ部には記録メディアには3.3Vのスマートメディアを採用。
当時は容量が非常に少なく、付属の4MBカードを使用した場合、最高画質のSHQモードではわずか4枚しか記録できませんでした。 
反対側です。 
AC電源と接続用の専用コネクター。 

90年代のスマートメディアという記録方式

東芝が開発したフラッシュメモリを利用した薄型・軽量のリムーバブルメディアで最大の特徴は、その薄さでした。
カードは非常に薄く、従来のPCカードなどと比較しても小型化しやすい構造でした。そのため、デジタルカメラの小型化と非常に相性のよい記録媒体でした。 
その反面、薄いのがメリットですが電気的な接点部(接触部)が露出していて経年劣化してくると読取りエラーが起こりやすい。また容量にも限界(2MB、4MB、8MB、16MB、32MB)や互換性の問題があり普及しませんでした。※64MB、128MBまで存在します。

本体スペック

CCD:141万画素2/3インチ原色プログレッシブCCD
記録解像度:SHQ/HQ = 1,280×1,024ドット、SQ = 640×512ドット(C-1400L)
レンズ :焦点距離 9.2~28mm、F2.8~3.9、7群7枚
測光方式:CCDによるTTL中央重点測光方式、スポット測光
フォーカス:TTL方式フルオートフォーカス
シャッター :1/4~1/10,000秒
露出制御:絞り、シャッター可変プログラム露出制御
ファインダ :TTL一眼レフレックス(オートフォーカスマーク)視野率95%
撮影範囲:通常モード時0.6m~無限遠、マクロモード時0.3m~0.6m、2.5mワンタッチフォーカス時約1.3m~無限遠(WIDE) 約2.1m~3.0m(TELE)、40cmワンタッチフォーカス時約30cm~77cm(WIDE) 約37cm~44cm(TELE)
液晶モニタ:1.8インチTFTカラー液晶
撮影可能枚数:SHQ = 4枚 / HQ = 12枚 / SQ = 49枚(C-1400L,4MB利用時)
記録時間:HQ撮影モード時 10秒弱(C-1400L)、8秒(C-1000L)
外形寸法:115mm×83mm×130mm(W×H×D)
重量:470g(電池、スマートメディア除く

撮影 

庭のムクゲ(木槿)

車庫に眠っているSUBARU SVX

アジサイ

家庭菜園の虫除け用のマリーゴールド

そろそろ終わりのナス

室内(作業部屋)

デジタル黎明期に誕生した本格的デジタルカメラ3台

CAMEDIA C-1400L・PowerShot Pro70・Cyber-shot PRO DSC-D700の立ち位置
1990年代後半を代表する高画質デジタルカメラ3機種の比較してきました。
CAMEDIA C-1400Lは1997年10月発売、Canon PowerShot Pro70とソニーCyber-shot PRO(DSC-D700)はともに1998年11月発売なので、厳密には同時期ではなく約1年の開きがあります。
現在から見ると、いずれも100万~160万画素程度のカメラですが、当時としてはいずれも非常に高い解像力を持つモデルでした。 
C-1400Lは2/3インチの大型CCDと高解像度レンズを組み合わせ、非常にシャープで鮮やかな画像を目指しました。PowerShot Pro70は1/2インチCCDながら、1536×1024ドットの3:2画像と10bit CCD RAW記録に対応し、自然な色再現と階調表現を重視しています。DSC-D700は1/2インチ150万画素CCDと28~140mm相当の5倍ズームを搭載し、滑らかな階調と見た目の解像感を追求したモデルでした。   
スペックから見る3機種の違い

スペックから見る3機種の違い
 
OLYMPUS C-1400L
Canon PowerShot Pro70
SONY DSC-D700
発売
1997年
1998年
1998年
CCD
2/3インチ
1/2インチ
1/2インチ
総画素数
141万画素
168万画素
150万画素
有効画素
約131万画素
約150万画素
約150万画素
最大記録
1280×1024
1536×1024
1344×1024
レンズ
3倍ズーム
2.5倍ズーム
5倍ズーム
35mm判換算
36~110mm
28~70mm
28~140mm
開放F値
F2.8~3.9
F2.0~2.4
F2.0~2.4
CCD方式
原色
補色
原色
ISO相当
100
100~400
100~400

C-1400Lは画素数だけを見るとPro70より少なく見えます。しかし、最大の特徴は2/3インチという大きなCCDでした。
解像度感では強かったC-1400L
この3機種を比較すると、まず目立つのがC-1400Lのシャープさです。本機の2/3インチCCDと高解像度の光学3倍ズームは大きなアドバンテージになっています。
細かな輪郭がシャープ、建物のディテールが見やすい、木の葉などの細部が比較的明瞭、輪郭がしっかりしている、全体に硬質な印象です。 
自然な高画質が魅力だったPowerShot Pro70
PowerShot Pro70の画質はC-1400Lとは少し方向性が異なっていました。
Pro70は168万画素CCDを搭載し、最大1536×1024ドットという高解像度を実現しました。さらにCCD RAW記録にも対応しており、JPEGだけに依存しない本格的な画像記録が可能でした。若干ノイズが多いのが課題でしたが大きな特徴が色再現の自然さでした。

見た目の解像感のDSC-D700
DSC-D700は少し面白い立ち位置でした。解像度は高いのですがホワイトバランスや露出制御の不安定さが撮影した映像からも見受けられました。28-140mm・全域F2.0クラスという驚異のレンズが生み出す暗所への表現力とボケ味は機能性が高いポテンシャルを持っていたデバイスでした。

C-1400Lは3機種の中では最も設計が古いにもかかわらず、「大型センサー×原色フィルター」という王道のアプローチを採用していたため、強力なスペックで武装した後発ライバル機と十分に渡り合える、色褪せない画質の魅力を誇っていました。

まとめ

CAMEDIA C-1400Lは、2/3インチCCDという高画素、メガピクセル機として現実的な価格、光学メーカーらしい操作性という3つの要素を同時に実現したことで、1997年当時のデジタルカメラの一つの到達点を示したモデルでした。背面液晶を持たず、ホワイトバランスも自動任せという不便さも今の目で見れば明らかです。現在のスマートフォンカメラや高画素デジタル一眼と比べればスペック上は見劣りする一台ですが、写真をきちんと撮るための道具としてのデジタルカメラの原点を体感できるモデルとして、一台だと言えるでしょう。

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