mobio NX_MB12C/UDD1 (NEC) 1998年 標準価格258,000円
本体重量790gのNECが作ったWindowsモバイル機
当時NECはPC98シリーズからDOS/V規格への移行を進めていて、新しいプラットフォームとしてNXシリーズを展開していました。
本機も同様でNXシリーズとして中身はDOS/V機であります。
液晶を閉じるとVAIOと同じマグネシウム合金の天板(シルバー)で質感が高いのですが、本体は残念ながらプラスチック。
当時のモバイル機は東芝のlibrettoが先行していて、それに追いつく形で作成されたのかわかりませんがハードウェア的にはPCIチップセットを持つ32ビット機であり、内蔵HDDインターフェースはPCI-IDEという扱いになっています。
しかし当時先進的なハードウェアを持ちながらなぜかUSBは装備されず、またPCカードスロットも16bit規格(カードバス非対応)なためUSBを増設することさえできないのが非常に残念です。
サイズ的にはジャストA5サイズで持ち運びには便利だった。(カバンの中には十分入りました。)
キーボード88キーで両手でのタイピングはサイズからも不可能(キーピッチは13mm)。フルタッチは想定外だったと思います。
液晶はコストダウンのためかDSTN液晶を搭載しています。通常の使用ではそれほど気になりませんができればTFTにしてほしかったです。
本体側面にはACアダプタ端子のほか、16ビットのPCカードスロット(TYPE II)が1基と、赤外線通信ポート、それにヘッドホン端子があるのみである。内蔵サウンドは出力のみのためマイク端子等は無い。底面にはメモリ増設スロットと標準添付のポートバーを取り付けるコネクタがあります。
標準装備のポートアプリケーター。これでCRT、プリンタ、RC-232C、FD、キーボード、マウスが接続できます。
本体スペックは
CPU:MMXテクノロジPentiumプロセッサ120MHz 内部キャッシュ 32Kバイト
ROM:256Kバイト(BIOS)
RAM:32Mバイト(増設スロット占有済)
最大80Mバイト(増設RAMボード用スロットに別売の増設RAMボード(64Mバイト)を増設した場合)
VRAM:1.1Mバイト Neo Magic社NM2093搭載
表示:バックライト付6インチTFTカラー液晶ディスプレイ バックライト付6インチSTNカラー液晶ディスプレイ
640×480ドット(26万色中256色/65536色/1677万色)
サウンド:内蔵(ステレオ) ESS社製ES1869A搭載 内蔵(拡張FM音源[FM音源最大20音])モノラルスピーカ内蔵
入力:本体との一体型、JIS標準配列(英数・かな)、Fnキー(ホットキー対応)、12ファンクションキー・Windowsキー・アプリケーションキー・Num Lockキー付
NXポイント標準装備
HDD:内蔵(約1.6GB)
インターフェース:マウス(ミニDIN6ピン)、テンキーボード(ミニDIN6ピン)、外付けFDD、パラレル(DSUB25ピン)、シリアル(D-SUB9ピン、最高115.2Kbps対応)、ディスプレイ(アナロ
グRGBセパレート信号出力、ミニD-SUB15ピン)
PCカード:TYPE II×1スロット(PC Card Standard 準拠)
外形寸法:210(W)×141(D)×28.5(H)mm(突起部含まず)
重量:790g
現在使用しているVAIO_Pと並べてみました。本機のコンパクトさがわかると思います。
本機はNECが最初で最後になってしまった本格的なWindowsモバイル機でした。どうしてもlibrettoの後追いのようなイメージでしたがハードウェア的には先端技術が盛り込まれ(未だにUSBが搭載されなかったのは謎ですが)、NECのこだわりが感じさせられます。
これ以降はプラットフォームがWindowsCEに移行していきMobilegearシリーズやsigmstionそして現在のLifeTouchNOTEに受け継がれているのではないでしょうか
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