MDS-JA3ES (Sony) 1995年 標準価格108,000円
ESシリーズ初のMDデッキ。前回MDとDCCをご紹介したので今回からレコーダーを紹介します。
MD(MiniDisk)はsonyが92年に発表した光ディスクを用いた記録方式です。このMDはディスクのサイズからもCDとは異なり非可逆圧縮式(ATRAC)により録音/再生する規格でした。
当時からCDと比較すると音質に違いがあるとされていました。圧縮して低ビットレート(292kbps)ではしかたないかもしれません。
当時はカセットテープでは音質的に劣ってCDはサイズが大きくて持ち出すには不便があったためMDがある程度普及しました。特に携帯用ウォークマンやカーオーディオには需要がありました。私も車にはMDチェンジャーを搭載していました。
このMDS-JA3ESもカーオーディオ用の録音に購入したわけで部屋で聞くマシンとしては利用頻度が低く、なかなかしっかりと聞く機会もありませんでした。
ESシリーズとして発売したためそれなりの質はあり、機能的にもタイムマシン録音機能を搭載しており、録音ポーズ状態でマルチジョグダイヤルを押すと、最大6秒前の音に遡ってディスクに記録することができたり未録音部分を自動的に探し出して録音することや、消去したい曲の冒頭から録音、任意の曲の途中からの録音が可能でした。
また、TOC EDIT機能、約1,700文字のタイトルや録音した日時を記録できるタイトル&デート機能などを搭載し,ジョグダイヤルの搭載によりシンプルな操作を実現しています。(ほとんど使いませんでした。)
ディスクはローディングタイプです。(最近ディスクによってはTOCを読まないことがあり若干不安ですが。)
背部は光と同軸の2系統のデジタル入力端子を搭載しています。また、光デジタル出力端子を搭載しています。
パネルの情報量は多く、22セグメントデジタルピークメーターを搭載しています。
本体スペックは
録音方式 磁界変調オーバーライト方式
再生方式 非接触光学式
レーザー 半導体レーザー(λ=780nm)
回転数 約400~900rpm
符号化方式 ACIRC
サンプリング周波数 44.1kHz
音声圧縮方式 ATRAC
変調方式 EFM(8-14変調)
チャンネル数 2チャンネル
録音・再生時間 最長74分
周波数特性 5Hz~20kHz ±0.3dB
SN比 105dB以上
ワウ・フラッター 測定限界(0.001%W・peak)以下
入力端子 ライン:1系統
光デジタル:1系統
同軸デジタル:1系統
マイク:2系統
出力端子 ライン:1系統
光デジタル:1系統
そんな規格の中でもESシリーズとして音質を上げるために20ビット入出力の新開発ATRAC用デジタル処理LSIをキーデバイスとしてブロックフローティング処理という新しい演算処理を行う20ビット化技術=Wide Bit Streamを導入しているという仕様ですがやはり音の質はけっしてCDと比較するとクオリティー的にはいいとは思えませんでした。
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