レンズカバーを開く、その瞬間の高揚。スマホには真似できない体験。それがCyber-shot S001
Sony Ericsson Cybershot S001 2009年
コンパクトカメラのようなスタイルで高画質、高性能だったソニーの携帯電話
S001のコンセプトは極めて明確でした。それは携帯電話にカメラを付けるのではなく、「Cyber-shotに電話機能を組み込む」ということでした。

コンパクトカメラのようなスタイルで高画質、高性能だったソニーの携帯電話
S001のコンセプトは極めて明確でした。それは携帯電話にカメラを付けるのではなく、「Cyber-shotに電話機能を組み込む」ということでした。

当時、すでにカシオの「EXILIMケータイ」やシャープの「AQUOSケータイ」など、家電ブランドを冠した端末は数多く存在しました。しかし、S001が特別だったのは「Cyber-shot」の名を冠する以上、画質はもちろん、ユーザーがレンズを向け、シャッターを切る瞬間までの肯定すべてをCyber-shot基準で再構築する必要がありました。


本機は高画質のカメラ機能と美しい有機ELディスプレイが特徴のCDMA 1X WIN対応携帯電話です。
まず、目を引くのは、背面の大胆なレンズカバーです。本体を裏返せば、そこには携帯電話の面影はありません。ヘアライン加工が施された金属的な質感のレンズカバーをスライドさせると、中から「Sony Lens」が姿をあわらします。このメカニカルなギミックこそが、当時のガジェット好きの心を掴んで離しませんでした。
まず、目を引くのは、背面の大胆なレンズカバーです。本体を裏返せば、そこには携帯電話の面影はありません。ヘアライン加工が施された金属的な質感のレンズカバーをスライドさせると、中から「Sony Lens」が姿をあわらします。このメカニカルなギミックこそが、当時のガジェット好きの心を掴んで離しませんでした。

私的にはDOCOMO製のSO905iCS (2008年)が1番カメラっぽいと思っていましたが、本機のデザインは当時のCybershotそのままのスタイルに携帯電話機能が付いたようなデザインでした。

本体のレンズカバーをスライドさせるとカメラモードのオン/オフと連動した仕様はコンデジそのもので当時の国内最高クラスとなる808万画素CMOSセンサー「Exmor」を装備していました。
特にブラックやマゼンタの色使いは見事でした。光の当たり方で表情を変える塗装は、上質な道具としてのオーラを放っていました。
特にブラックやマゼンタの色使いは見事でした。光の当たり方で表情を変える塗装は、上質な道具としてのオーラを放っていました。

カメラ面はシンプルなデザインで、レンズカバーをスライドするとカメラモードになります。バッテリーカバーの境目がレンズカバーに隠れていて見えないなど細かいところに凝っているなどこだわりの強いモデルです。

このセンサーは有効素子が8.1MピクセルのCMOSセンサー。ソニー製の「Exmor」センサーを搭載して、レンズはF2.8で、画角は35ミリ相当(35ミリカメラ換算)でした。

本体の左側面には卓上ホルダ用の充電端子と平形ヘッドフォン端子、外部接続端子が配置されています。


右側面には、シャッターキーと再生キー、上下キー、操作ロック用のスライドスイッチがあります。



本体上部はワンセグ用アンテナと赤外線ポートがあります。


携帯デバイスとしてはスライド型でスライドさせるとテンキーが現れます。ディスプレイ下部には十字キーとソフトキー、クリアキー、発話/終話キーが配置されています。
有機ELディスプレイの採用は当時としては先進的でした。3.3インチのフルワイドVGA有機ELディスプレイを搭載しています。

有機ELディスプレイの採用は当時としては先進的でした。3.3インチのフルワイドVGA有機ELディスプレイを搭載しています。

ここらへんの構造はまさに携帯電話です。
フルワイドVGA表示に対応した3.3インチの有機ELディスプレイは撮影後の確認には十分なサイズ。このスペックは当時では世界初でした。

カメラを起動し、端末を横に構える。その瞬間、画面上のアイコンやメニューは横向き専用の「カメラモード」へと切り替わります。特筆すべきは、側面に配置されたシャッターボタンの作り込みです。
半押し: 軽い抵抗感の後、指先に伝わるフィードバック。
全押し: 確実なクリック感とともに記録される8.1メガピクセルの世界が提供されます。
この「2段構え」のボタンの感触こそが、撮影者に「今、私は写真を撮っている」という意識を強く植え付けました。また、メニュー画面のフォントやアイコンの配置も、当時の本家Cyber-shot(Tシリーズ等)を踏襲しており、ブランドの一貫性を肌で感じることができたのです。 
この時期のサイバーショットに搭載されていた顔検出・笑顔検出: 人の顔や笑顔を自動的に検出してピントを合わせるおまかせシーン認識」や「スマイルシャッター」、「顔キメ」など、手軽に美しい写真を撮るための機能が充実している携帯でした。

また手ブレ補正機能による動きによる手ブレを自動で補正してくれます。
8.1Mピクセル「Exmor」CMOSセンサーは暗所でのノイズを抑え、鮮やかな発色を実現する裏面照射型技術の先駆けとも言えるセンサーを搭載。夜の街並みや、照明を落とした室内でも、当時としては驚異的な描写力を誇りました。

8.1Mピクセル「Exmor」CMOSセンサーは暗所でのノイズを抑え、鮮やかな発色を実現する裏面照射型技術の先駆けとも言えるセンサーを搭載。夜の街並みや、照明を落とした室内でも、当時としては驚異的な描写力を誇りました。

本機が登場する頃はこのブログも当時使用していたサイバーショットDSC-T30(2006年)で撮影していました。

この頃使用していたサイバーショットDSC-T30(2006年:720万画素)と庭で撮影を行ってみました。


家庭菜園のトマト
S001

SN3J0003
DSC-T30

S001は画質的にはソニー固有のハイコントラスト気味の画像ですが悪くはありませんでした。
虫除け用のマリーゴールド
S001

SN3J0006
DSC-T30

本機の外観はまさにサイバーショットそのものをイメージした外装ですが反転すると携帯電話そのものという筐体。

そのモデル以降スペックアップしたSシリーズが発売されましたが、初代の本機が一番ソニーらしいデザイン性の高いものでした。このS001は携帯電話に高画質のコンパクトカメラのギミックを織り交ぜたSonyらしい1台でした。

現在のスマートフォンは、AIの力で誰でも失敗のない写真が撮れるようになりました。しかし、S001が持っていた、レンズカバーを開く高揚感、シャッターボタンを押し込む指先の緊張感、そして有機ELに浮かび上がる鮮烈な色彩に息を呑む瞬間。そうしたカメラで撮影する体験は、今の効率化されたデバイスからは失われつつあるものです。


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