モバイルギア2 (NEC) 1998年

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Tablet/PDA/ポケットPC
Mobile Gear 2 (NEC) 1998年 カラーモデル(MC-R500) 
NECが作ったRISCプロセッサを搭載したキーボードタイプのPDA。 
ちょうど2年前に知り合いのDrから貰ったまま状態でしたが前回MobileGear MC-K1をレビューので持ち出してきました。 
あまり使用していなかったようで状態も良く、本体とケーブル(D-subとパラレル)、取説、ディスクなど一式が全て残っている状態。 
アップグレードROMもあり分厚いマニュアル付きでWindowsCEのOSのバージョンが「2.11」となる、付属アプリケーションの各機能が強化され、MC-R520相当になる仕様。本機はまだバージョンアップされていないです。
前回の初代(MC-K1)はMS-DOS機でしたが本機はWindowsCE2.0を搭載したモデル。 
筐体は外観はメタリックシルバー。ボディはプラスチック素材で質感は高くなく、実用性重視?のようなスタイル。サイズ的にはシグマリオンシリーズと比べるとだいぶ大きい印象。 
本機の特徴の一つとしPCキーボードと配列も近く、用途によりますが以前のオアシスPocketやシグマリオンよりタイピングし易い。このモバイルギアシリーズは他のCE機とは異なりファンクションキーを搭載しているのが特徴でした。またエンターキーも大きめで文字キーと他のキーが色を変えて配置されています。 
このキーボードはこのサイズにしてはきっかりとした構造(パンダグラフ)でキーピッチも16.5mmあり普通にブラインドタッチが可能です。 
LCDはこのクラスとしては大型の8.1inchのバックライトSTN液晶が搭載されていました。コントラストが高く、バックライトの光量も多い。
解像度は(640×240ドット、256色)でWebブラウズするには若干狭いがこのサイズでは十分な領域を確保していたと思います。 
正面左側は赤外線モジュールと電源端子。 
ヒンジ部には録音用ボタン。
背部は映像出力・パラレルポートが左右に配置されています。 
右側。サイズに余裕があるためPCカードスロットがありモデム端子を配置。 
背部。内蔵電池(CR-332)の交換。 
電源スイッチを入れるとWindowsCE2.0が起動します。WindowsCEは今更ですが当時のWindowsのサブセット版でWindowsとはデーターレベルでの互換性が高く、内臓のOfficeで作成したデーターはそのままPC版で利用することができました。 
このWindowsCEが良かったかというと私にとっては微妙な立ち位置でした。Windows互換といってもアプリケーション互換ではないため、利用する範囲が、メール、スケジュール管理、Office連携が中心でしたがデバイスサイズが大きいのがデメリットでした。私はその後発売された手軽に持ち出せるPalmOS(Clie)デバイスを頻用に使用していました。 
本体スペックは
OS:WindowsCE2.0
CPU:NEC VR4111
RAM:16MB(32MB)
LCD:8.1インチカラーSTN(640×240ドット、256色)
通信:モデム 33.6kbps FAXモデム内蔵
インターフェース:RS-232C、モジュラージャックRJ-11、モニタ(VGA)、IrDA 1.0、PCMCIA Type2、コンパクトフラッシュスロット、マイク、スピーカー
駆動時間:約8時間
サイズ:245×138×31.4mm
重量:850g 
本機の登場した時期は通常のWinows機はハードウェアに対してOSが重く、バランスが悪かった為、OSの起動やアプリケーションも軽く用途によっては非常にメリットが高いデバイスでした。CEOS機は標準でOfficeが搭載されていたので出先でOfficeを使用するなどの用途では良い環境だったと思います。タイピング環境も良く便利でした。  
特に当時普及期だったモバイル通信は名前の由来からも通信環境は特化していて携帯電話、PHS等の通信端末とケーブルを差し替えるだけでネットワークに接続できたのは1番の強みだったと思います。 
この時代は私のPDA歴は1995年にPalm Top PC 110(Windows3.1)を皮切りに1996年にはWindows95を搭載した東芝Libretto 20、NECのシグマリオンやHPのJornadaなどのWindowsCE、富士通のOASYSPoket、2000年にはPalmOSのClie(Sony)やWindows of PocketPC(GENIO)など様々なデバイス規格が乱立して楽しい時代でした。 
更に同年には同様のコンセプトのVAIO C1(初代)やその後(2002年)は更にコンパクトになったVAIO U1の登場など様々なx86系PCが登場した為、用途をモバイイル系にシフトしたWindowsMobileへと進化しスマートフォンへと移行して行くことになりました。
本機は小型で容易にアプリケーションが利用でき持ち運びができる価格もx86系PCの半分でコストパフォーマンスも高かった90年代後半の特徴的なモバイルPCでした。 

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