TEAC V-2020S 1994年

オーディオ機器
TEAC V-2020S (TEAC) 1994年  55,000円
 
ドルビーS搭載音質重視3ヘッドカセットデッキ。 
我が家にあるシングルデッキでは比較的年代が新しいデッキです。たしか20年位前にハードオフで購入。90年代前半の3ヘッドカセットデッキのエントリーモデルの位置付けです。 
本機の特徴はドルビーB/CのほかドルビーSに対応。ドルビーS自体はプロ用機器で使用されていたドルビーSRをもとに民生用に新たに開発されたノイズリダクションシステムで、高域で24dB、低域で10dBのノイズ低減効果を実現していました。 
ヘッド部にはPCOCC巻線を採用した高硬度パーマロイ・コンビネーション3ヘッドを採用しています。 
ポジション的にはエントリーモデルですがクラス最高のパフォーマンスを目指したのが当時のTEACのVシリーズ。
フロントパネルにはアルミパネルを採用するなど高級感が演出されています。 
 
メカニズム部には信頼性・安定性・耐久性に優れたセンターマウント方式を採用しており、内部及び外部振動の影響を受けにくいコンストラクションを実現してます。トライアングル・カセットサポートシステムを搭載しており、カセットハーフのがたつきを防いでいます。私はTEAC機では初のセンターモデルでした。
操作系はシンプルな構成。操作系のボタンも大きく操作しやすい。素材は若干チープ感のあるプラスチック素材なのが残念。 
録音用のボリュームなど基本的な操作系はしっかりと作られています。 
内部を開けてみました。集積化が進みかなりシンプルな構造です。  
デッキ部も同様に3ヘッド機にしてはやはりシンプルで同世代のTC-KA3ES(sony)と比べてもかなり部品数は少ない。
本体スペックは
ヘッド    録音・再生:PCOCCハードパーマロイコンビネーションヘッド
消去:フェライトヘッド
モーター:キャプスタン用 DCサーボモーター リール用 DCモーター
ワウフラッター:0.045%(W.RMS) ±0.08%(W.Peak、EIAJ)
周波数特性(EIAJ):15Hz〜21kHz ±3dB(メタルテープ)
SN比:NR off:58dB(規定録音レベル、EIAJ)
   Dolby S on:84dB(CCIR/ARM)
消費電力:16W
外形寸法:幅435×高さ147×奥行290mm
重量:5.0kg
付属:ワイヤレスリモコン
本機も前回のT-9090WRⅡと同様の環境(カセット、CD音源、但しドルビーS使用)で録音し再生してみました。 
再生時ではしっかりと情報量を確保しながらもノイズも抑え、前回紹介したT-9090WRⅡ(PIONEER)と比べると充実に音の情報量も豊富で想定していた以上にいい音を再現してくれます。 
当初は当時の価格が55,000円とデッキとしてはエントリーモデルになりそれほど期待はしていなかったのですが、キャブレーション調整しドルビーSの環境下で録音された音質は音楽ソースを忠実に再現できる価格以上のものでした。同時期のソニーのエントリーモデルだったTC-KA3ESはあまりいい印象がなかったため、あらためてTEACの技術力の高さを感じたモデルでした。 このクラスはまだ価格的にも比較的購入ができるので一度試してみるのも面白いと思います。
このV-2020Sで何年かぶりにカセットデッキの録音してあらためてカセットテープによる音の良さを実感させられました。そして家のラックに眠っているTEAC製のデッキを持ち出し、数十年ぶりに動かしてみようと思います。

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