LD-S1 (Pioneer) 1986年 250,000円
光ディスクの黎明期に登場しレーザーディスクの生む映像を美しく進化したハイエンド機。
レーザーディスクは1981年に民生としてPIONNER LD-1000が発売されました。当時読取り用ピックアップはガスレーザー式であり現在の光ディスクのような半導体レーザーのピックアップは以前紹介したLD-7000(1983年)から。この頃から小型化とフロントローディング式の機体になりその後のレーザーディスクプレヤーの方向性が示されました。
本機はレーザーディスクの創成期から進化し映像と音質のクオリティを向上させるため物量と投与したレーザーディスクプレヤーでした。
本機の作り、映像の安定感、発色の美しさ、そして音質の素晴らしさはその後のレーザーディスクのリファレンス機となりました。現在でもアナログ映像を出力するモデルとしては高い品質のモデルです。
レーザーディスクのようなディスクデバイスは現在衰退の一途をたどっていており、Blu-rayやDVDはまだニーズはありますがアナログディスクでもあるレーザーディスクはさすがにニーズはなく、本機も部屋の片隅に収納されているのを久しぶりに起動させて見ました。
本機は状態も良く、ピックアップもそれほど劣化が進んでいない良い状態の個体です。電源を入れると各種インジケーターが点灯します。正面パネル類はシンプルで操作系スイッチもイジェクト、プレイなど基本的なもののみです。
表示系もキャプチャー、フレーム番号のみのシンプル表示です。
正面右側にはドアポケットがあり各種スイッチが配置されています。
当時としては最高の8ビットデジタルメモリ・4倍オーバーサンプリングD/Aコンバーターを採用したリファレンス機だった。
音響メーカーのパイオニアだけあってフレームも銅板でかなりのコストを当時はかけていました。外寸 W456×H156×D468mm 重量 16.5kgもあります。
インシュレーターも真鍮です。
イジェクトスイッチ押すとフロントローディング式のトレイが出てきます。ディスクが30㎝あるので今となってはかなりの大型サイズです。 3210
背部です。音声、映像はコンポーネントのみ、この後に出たLD-X1はS端子出力があります。
I/Oポートをこの機種まで搭載していたので同社製のMSXPC(PX-7)と接続が可能でした。
久しぶりに映像を出力してみます。いつもはPROFEEL PRO(KX-34HV2に接続していますが今回はより精細な映像を見たくて14型トリニトロンカラービデオモニターSONYのPVM-14L2MDのOEM olympus OEV143接続してみました。
ラックから何枚かLDディスクを出してきます。
レーザーディスクは30㎝あり大型です。今更ですが光デスクでありますが映像はアナログ方式です。
再生ボタンを押すとディスクプレーヤーとしてはかなりの回転音と振動が伝わってきます。ディスクは中森明菜のBITTER&SWEETです。
映像的にはトリニトロンブラウン管の性能もありますが細部のディテールまでくっきり描き出します。当時としては水平解像度420本は十分な映像です。
またアナログディスクにありがちなノイズ感は少なく、DVDのMPEG圧縮による映像とはまたひと味違うクリアで緻密な映像です。
本機はレーザーディスク固有の動作音を除けば最高画質・最高音質 回路基盤に無垢の銅版を使用するなど音響メーカーであるパイオニアが徹底したクオリティ追求型LDプレイヤーでした。
レーザーディスクの構造上、30㎝の大型のディスクを回転させ読み込み構造は機械的には負荷が大きく維持が難しいデバイスではありますが発売から36年が経過しても歪みの少ないアナログらしい美しい映像を今でも再生してくれる貴重なデバイスです。
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