モバイルという言葉が生まれる前に、それは存在していたLet’s Note AL-N1
Let’s Note AL-N1 (Panasonic) 1996年
本機は1996年6月、パナソニックが、B5サイズのサブノートPC Let’snoteの初代モデルとして発表されました。まだモバイルという言葉すら一般化していなかったその時代に、持ち運べるノートパソコンというコンセプトを体現した一台が本機でした。
当時のモバイルPCはサイズも大きく、スペックも中途半端なものでした。本機の登場でCPUスペック、サイズ、そしてバッテリーを2本搭載するなどバランスがとれたPCはなく、かなりの人気で購入が私はできなかったマシン。本機のコンセプトは持ち運ぶことのストレスをゼロにすること目的として文房具のノートと同じB5判サイズに収められた筐体は、ビジネスバッグにスッと収まる絶妙なサイズ感でした。

結局、翌年発売された前回紹介の2代目AL-N2を購入し、本機はその後コレクション用として購入したもの。 
デバイス的にはその後の特徴だった光学式のトラックボールではなくスライドパット以外は外観は初代がベースとなっています。

キーボードもこのサイズにしては限界がありますがB5サイズの筐体における制約の中で、実用上十分なキーピッチを確保していました。

インターフェンス類は前回紹介のAL-N2とそれほど相違がありません。
接続端子はビジネス用途を意識した実用的な構成を採用していました。シリアルポート、赤外線通信ポート(IrDA)、PCカードスロット(TypeII×2またはTypeIII×1)、外部ディスプレイ出力端子などを装備。3.5インチFDDを内蔵しつつ、外付けCD-ROMドライブをPCカード経由で接続できる設計でした。

内部構造も同様。HDDはオリジナルは故障し、2GBのHDDに交換しWindows98がインストールしてあります。 
CPUはノーマルPentiumを搭載。2代目からMMX仕様に変更されています。メモリは16MB×2を実装しています。

液晶部は 10.4型 TFT液晶。当時の標準がVGA解像度のSTN液晶であったのに対し、AL-N1はSVGA(800×600)のTFT液晶を採用した。TFTとSTNでは視認性・応答性に雲泥の差があり、ビジネス文書を快適に扱える解像度と画質を確保するための重要な選択でした。
Windows98は若干重い感じですが、当時のモバイル機は低電圧版の非力なCPUで妥協するものが多い中、AL-N1はフルスペックのPentiumを搭載することで持ち出せる高性能PCとしては十二分なスペックでした。 
本体スペックは
CPU:Intel(R) Pentium(R) プロセッサ 150MHz
メインメモリー:標準 16MB EDO (最大 48MB) 現行32MB
2次キャッシュメモリー:256KB PB-SRAM
ビデオメモリー:1MB EDO
ハードディスクドライブ:1.35GB 現行2GB
フロッピーディスクドライブ(オプション) 外付け 3.5型 3モード対応 (1.44MB /1.2MB /720KB)
表示方式 表示方式 SVGA(800×600ドット) 10.4型 TFTカラー液晶
グラフィックアクセラレーター CT-65550 800×600ドット 65,536色
サウンド機能 PCM音源(Sound Blaster互換)、FM音源、モノラルスピーカー、モノラルマイク内蔵
カードスロット PCカードスロット PCカード(TypeII×2 または TypeIII×1スロット)
拡張メモリースロット 144ピンDIMM専用スロット×1
インターフェース 音声 マイク入力(ミニジャック)、オーディオ出力(ミニジャック)
シリアルコネクター Dsub 9ピン
パラレルコネクター Dsub 25ピン
外部ディスプレイコネクター アナログRGB ミニDsub 15ピン
マウス/外部キーボード ミニDin 6ピン
赤外線通信 IrDA-SIR、115.2kbps
その他インターフェース FDD専用コネクター
キーボード OADG準拠キーボード (88キー)
ポインティングデバイス フラットパッド
電源 AC 100V-240V (50Hz/60Hz)(ACコードは100V専用)、
バッテリーパック(リチウムイオン)
外形寸法(幅×奥行×高さ) 255mm × 192mm × 41mm (突起部除く)
質量(バッテリーを含む) 約1.62k

Let’s noteの初号機であるこのAL-N1は96年当時国産ではまともなモバイル機なく海外機ではIBMのThinPad530Csなどが存在していました。 
当時の質感としてはThinkPadに分がありましたがThinkPadは経年劣化の進みが早く維持をするのが大変です。
Let’s noteはディスクさえ交換すれば故障も少なく堅牢なPCです。
AL-N1のデザインは、派手さはなく、飾らない誠実性でした。バブル期の国産ノートPCが持っていた重厚なブラックの外観や、過剰な装飾を一切排除したシンプルなフォルムは、使うためのPCというスタイルを象徴しています。

国産機としては軽量と長時間バッテリーそしてハイクロックのPentiumを搭載した要件を実現したモバイルPCでした。

パナソニックは1996年に初代のAL-N1を世に送り出してから、パナソニックの「レッツノート」は20年以上にわたってブランドを維持し、使えるモバイルノートの代名詞になりました。現在のレッツノートは軽量・堅牢・長時間バッテリー・メイドインジャパンというブランド価値を引き継ぎ、その出発点に立っていたのが、AL-N1でした。


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