PC-9801FA (NEC) 1992年 458,000円
時代は既にWindows3.0時代にあって頑なにDOSマシンにこだわったi486搭載のPC98。

当時(1990年)のNECはCPUのハイエンドマシンとして当時のP98シリーズとは互換性が少ないPC-H98シリーズを発売していましたがハイレゾモード(1120 x 750ドット 4096色中 16色)搭載とは言え100万以上もするPCでした。本機はPC-98シリーズ互換のInteli486SXを採用したモデルでした。また同時期に発売されたPC-9801FS/FXはi386SXを搭載していました。

Windowsマシンとしてはまともにインストールさえできませんがファイルスロットが装備され5インチFD,MO、CD-ROMなどに対応していた機構は先進性があり従来のPC-98の資産を生かす意味ではよく出来ているマシンだと思います。

ドライブは5インチフロッピードライブを2機搭載。3.5インチ×2モデルもありました。当時はもともとあった資産が5インチだったので5インチモデルを選択しましたがこの後急激に3.5インチが普及していきました。

ファイルスロット用のデバイスは当時はまだ高価でした。その下はディップスイッチ、音量ボリューム、クロック切り替えスイッチ。

正面左側はキーボード、マウス端子とリセットスイッチ。

実際にはWindows3.0をある程度快適に動かすためにPC/AT機ではi486DX(33~66MHz)に移行していた時期にi486SX/16Mhzではかなり非力でした。DOS機として割り切るなら十分でしたが、価格も高価でした。

背部です。右側に98オリジナルのCバススロット。SCSI入れてあります。1MFDDI/F、プリンタI/F、RS-232CI/F、マウスI/F、デジタルB/WI/F、アナログCRTI/Fなど


キーボードとマウスを装着した状態。当時のキーボードはモデル間で互換がありました。

当時のPCのスタイル。CRTと本体がかなりのスペースを占めていました。

久しぶりに組んでみましたが当時はこのスタイルでPCを操作していたのが懐かしく感じられました。

また、VGAやSVGAも珍しくなかった画面モードも相変わらず640×400とかなり貧相に見えました。
本体スペックは
CPU:Intel i486SX16MHz
ROM:BIOS及びN88-BASIC(86)96KB
RAM:1.6MB
GPU: 256KB 640*400 4096色中16色2画面
拡張スロット:4
FDD:5インチ1M/640KFDD
インターフェイス:1MFDDI/F、プリンタI/F、RS-232CI/F、マウスI/F、デジタルB/WI/F、アナログCRTI/F
外形寸法:(W)380 (D)335 (H)150
重量:9kg

去年実家から持ってきたMOドライブと3.5インチFDドライブ。

この中でロジッテック社のLMO-420NBはHDDモードを搭載しているためにMOからシステムを起動してみました。

本来HDDから起動させますが当時のHDD(SCSIタイプ)は故障のリスクもあり今回はMOからプログラムを起動させてみました。MOを98仕様にフォーマットします。

S-DOSのFormatコマンド打つとMOディスクが固定ディスクとして認識されています。 9830 9831


当時のファイルユーティリティもコピーします。


背部のSCSIカードと接続した状態。

バックアップのFDからアプリケーションやゲームもコピーしFDを起動させてみました。


表計算ソフトのロータス123を起動。

当時の表計算はロータス123が主流でしたがWindows時代にMSのエクセルが逆転してしまいました。

ユーティリティーのFDはファイル起動や修正には便利でした。


PC-98版のグラディウスを起動させてみました。


ゲーム自体のグラフィックはそこそこですが当時のFAはサウンド機能が貧弱で残念。ゲームをプレイするなら同時期のEPSON機がベストでした。



パックマン。これもメジャーゲーム。



シミュレーションゲームのパワードール for PC 9801

また当時は美少女ゲームが一部のマニアには流行っていました。



イラストレーターようなジャストシステムの図形ソフト花子を起動。懐かしい


結局NECは本機の発売後1年も経たずに後継機として価格を抑えPC-9821AsなどのWindows対応のMATEシリーズが発売されました。

当時DOS/Vマシンとして他社がPC/AT互換機が参入しCPUスペックが高い486DX 33MHzマシンが20万円台で出ていたためNEC自体もユーザーのニーズに反映した方向に動くようになりました。

当時のPCの多くがコスト優先の設計により次第に取り扱いにくいマシンが多い中、本機は堅牢で非常に良い時代のマシンでした。

コメント
ホワイトニングされたのでしょうか、新品のような美しさですね。
5インチ仕様のFAは珍しいのではないでしょうか。
SXでしたが486採用の98は憧れの機種でした。
完動品はとても貴重と思いますので、末永く大切になさってください。
このPC-9801FAはホワイトニングしていません。保管条件なのか材質なのか黄ばみが発生していない個体です。この機種の前の9801RA/ RSも黄ばみがないです。
ちなみに同時期のEPSON製PC-386/486は黄ばみの発生があり、また紹介しますが過酸化水素で漂白処理しています。
この時期のPC98は現在のPCと違い、作りが丈夫でコストがかかっています。5インチフロッピーと電源のメンテをしていればまだしっかり動きます。
486SXはDXと比べれば非力ですがWindowsを動かさずDOSゲームやアプリケーションなら十分な性能でした。
>互換性が少ないPC-H98シリーズ
この時点で、普及を妨げ、DOS/V機を推したいマズゴミに騙されています。 むしろ、H98のノーマルモードのソフト面の互換性は、21型番の殆ど総て(厳しく言うと初代機以外全部)よりははるかに9801RAをターゲットとして書いたソフトがまともに動くよう、最大限に配慮を払っています(さすがに、ハイレゾモードはXA~RLをターゲットとして書いたソフトがまともに動く分、01との互換性皆無(メモリマップが違うため)ですが…)。
>時代は既にWindows3.0時代にあって頑なにDOSマシンにこだわった
当時のNECは、IBM自身が投入したPS/55を迎撃するべく、型番の通りの究極かつ至高の98であるH98とWindowsをセットで普及させようと色々やってました(もっとも、それが徒となってPS/55共々価格に跳ね返り、日本民族どころか人類にパソコン扱いしてもらえず…)。