PL-780 (PIONEER) 1981年 69,800円
リニアDDアームを搭載した電子制御のフルオートレコードプレーヤー。
昨年、ずーと眠っていた本機ですがレコード針を購入後レストアする予定がそのまま放置状態。
ます、外観がボロボロ。アクリル製のカバーは白内障のようなもやがかかり、ボタン類もこのような有様。
休日がちょうど時間が空いたので気合いを入れてレストアしました。
一番大変だったのがボディの取り外し。アームパイプ部分は分解しないと上部のボディが外れません。(ネジ3ヶ所外します。)
ボタン類は全ては外し洗浄、研磨。
アーム駆動用モーター。こいつが調子悪いとアームが降りません。(グリスが硬化している場合が多いです。今回はバラして古いものを取り除きました。)
駆動用モーター(SH・ローター方式コアレスモーター)
スイッチ類は接点賦活剤で洗浄のみ。
完成。正味2時間くらいかかりました。本機は同時期にアンプ(A-980)やチューナー(F-780)、ターンテーブル(PL-88F)、デッキ(CT-970,CT-980)などが同一デザインのモデル。
このリニアDDアームは通常はアームの軸を中心に回転していくに対してアーム自体が平行に移動してトレースしていく仕組みでレコードの情報を正確に再現できるメリットがあります。 スタートボタンを押すと正確にレコードの先端までトレースしてくれます。
カートリッジはMCカートリッジで高出力(1.5mV)のアンプを搭載しているのが特徴。
アームパイプはカーボングラファイト製。ヘッドシェルも同様。
コントロールパネルはシンプルですが操作性は良く他の器機類とのデザインにも見事に調和しています。
ほとんどが電子制御でリニアトラッキング動作やフォノモーターの回転・停止・回転数切換は制御されています。(マニュアルも可)
このARM LOCATIONとARM-ELEVATIONでマニュアル操作できます。アームが並行移動していきます。
本体スペックは
モーター コアレスクォーツPLL DCサーボホールモーター
軸受け方式 SH・ローター方式
駆動方式 ダイレクトドライブ
ターンテーブル 32cmアルミダイキャスト
回転数 33 1/3、45rpm
回転数切換 タクトスイッチ電子式
回転ムラ 0.012%以下(WRMS、FG直読法)
0.025%以下(WRMS、JIS)
S/N 78dB以上(DIN-B)
起動特性 1/3回転以内
回転数偏差 0.002%以内
ドリフト 時間ドリフト:0.00008%/h以下
温度ドリフト:0.00003%/℃以下
<トーンアーム部>
型式 リニアDDスタティックバランスリニアトラッキングアーム
実効長 162mm
オーバーハング 0mm
適合カートリッジ自重 3g~8g(ヘッドシェル含まず)
ヘッドシェル カーボンファイバー製
トラッキングエラー 0.25゜以内
針圧可変範囲 0~3g
<カートリッジ部>
型式 MC型
針先 0.3×0.7mil楕円ダイヤモンド針
交換針 PN-4MC
出力電圧 1.5mV(1kHz、50mm/sec.水平)
負荷抵抗 30kΩ~100kΩ
適正負荷抵抗・負荷容量 40kΩ・170pF~300pF
適正針圧 2g±0.3g
周波数特性 10Hz~35kHz
<その他>
付属機構 2スピード切換ロケートボタンによる両方向トーンアームリモート操作機能
マニュアル操作機能
フェールセーフ機能
使用半導体等 IC×10
トランジスタ×6
フォトトランジスタ×3
ダイオード×6
cds×1
ホール素子×2
LED×12
水晶×1
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 12W
外形寸法 幅420×高さ120×奥行427mm
ダストカバー全開時:幅420×高さ405×奥行427mm
重量 8.3kg
この時代のPIONEERは斬新的なデザインが特徴です。
本機とPL-88FSをA-980に接続して聞いていますが、PL-88FSはどちらかというと重厚で低音がいい感じで再現されます。PL-780は比較的軽い感じの透明度が高い音質です。聞きやすいのはPL-780ですがゆっくりとアナログレコードを聴くにはPL-88FSを多用しています。
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