PowerBook Duo 250(Apple) 1993年
Appleの数々の名機の1つ。
Appleのサブノートの原点となる1台。
このDUO、非常に良い状態で保管されていたのをお借りしてきました。
B5サイズで非常にコンパクトでデザイン的にも優れていたのがPowerBook DUOシリーズでした。
当時のDOS/V機はどれも分厚く単調なデザインが多かった中、本機は無駄なもの(デバイスやインファーフェイスすら)無くし、軽量化とデザインにこだわった1台。
また、このダークグレーがPowerBookらしい。
本機の一つの特徴がキーボード手前のパームレストとトラックボールを配したデザインで、これ以降のノートPCの主流となりました。
特にこのトラックボール周辺の機能性と曲線をうまく使った配列はAppleらしいデザインにこだわった部分だと思います。
現在のノートPCと違いインターフェースは左右となくデザイン的にはなにもないほうがインプルで良い感じです。
キータッチは良好でしっかりとタイピングできるタイプ。
その代償に拡張ポート、FD/CD-ROMなどのデバイス系は全てありません。
背部にドック用のインターフィースがあるのみ。隣は電源。
右側にはApple独自のRS-422のシリアル端子
左側はモジュラー端子。
どちらもスタンド機能がありタイピングはし易い。
バッテリーは正面左側に配置。
スペック的にはモトローラ-のMC68000が使われていて当時のDOS/Vが搭載していたIntel(80386あたり)と比較すると1つの処理(1命令)あたりにできるプロセスが多く、コードのサイズも小さく済んだなど優位性がありました。モトローラ-はその後のCPU作りが失敗したことが非常に残念でした。 3744
本体スペックは
CPU:Motorola MC68030 33 MHz
OS:7.6.1
バススピード:33 MHz
データパス:32 bit
ROM:1 MB タイプ独自
RAM:4 MB 最大24M
RAM スロット:1
Level 1 キャッシュ 0.5 kB
拡張 スロット:モデム, Dock (152-pin PDS)
LCD:9inch アクティブマトリクス方式 モノクロ LCD
最大解像度:16 ビット 640×400
ハードディスク:200 MB
入力 / 出力:ADB
シリアル:1
スピーカー:モノラル 8 bit
マイク:モノラル 8 bit
コードネーム:Ansel
電力:25 ワット
寸法:3.6 cm H x 27.7 cm W x 21.6 cm D
重量:1.9 kg
当時のDOS/V機の中で同じコンセプトのIBMのThinkPad220(Intel80386)と並べてみました。
ビジネス機としてのThinkpadとはあきらかにコンセプトが異なります。
サイズ的には若干ThinkPadのほうがコンパクト。
ポインティングデバイスの比較。
ThinkPadもトラックボールを採用していますが、DUOとは異なった配置を採用しています。
当時のOSを比較してみました。
ThinkPadはWindows3.1が動いてますがこの時期はMS-DOSの延長上にWindowsが動いている状態 3784
両OSのデスクトップ。
あきらかにMacOSが品質は上。(Windowsは95でやっと追いついた感じ)
このDUOがこれ以降のAppleのノートPCのデザインコンセプトに繋がった感じがします。
当時のAppleのデザインは確実に他メーカーと差別化がさせていました。
LCD外パネルのデザイン。シンプルですけど直線とカーブをうまく使ったデザイン。
PowerMacG4 12inchと並べてみました。
厚さ、大きさもそれ程変わらない2台です。
どちらもその時代にあったデザインコンセプトだったと思います。
DUOのトラックボールとパームレストは何度見てもすばらしいデザインです。
なかなかこのような個性的なPCが出てこないのは残念。
本機の素晴らしいところは通常はB5ノートとして無駄なものを除いたシンプルなスタイルで、必要に応じてDUOドックを追加することによりデスクトップ
PC同等の性能と使い勝手を手に入れることもできたPCでした。
このデザインコンセプトはPowerPC(603)を搭載してPowerBook2400Cへ、そしてPowerPC(G4)を搭載したPowerBook G4 12inchへと引き継がれていき、現在はMacBookAirがこのコンセプトを引き継いでいます。
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