PC-9801(NEC) 1982年

NEC(PC-80,88,98)

PC-9801(NEC) 1982年 標準価格 298,000円
Intel8086互換の16ビットNEC製μPD8086を搭載したPC-9801の初号機。

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この機種からPC9801、PC9821シリーズと長きに渡って日本PCを牽引してきたマシンでしたが当時はまだ8bit機が優位の状態でPC-88シリーズと完全な互換ではないマシンをどうのような用途があるのか、当時はあまり魅力を感じませんでした。

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外観は本体分離型(セパレート式)で初代PC-8801に近いスタイルで8801と比べると若干大きい筐体です。これは背部の拡張スロットが2個分多く装備されているためでした。色もアイボリーホワイトと基調としたイメージで作られています。当時はこのセパレート式を採用するPCは高級志向のPCでした。

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本体はFDを内蔵しているわけでもなくオプションの8inchか5inchの当時はまだ高価なFDドライ部が必要だったり、まだ漢字ROMを搭載していなかったのでビジネスソフトを使うのにはかなりオプションをそろえないといけない状態でした。

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キーボードも初代PC-8801と同様に今のキーボードと比較とするとなかり厚めの重厚感のある作りでキースロークも深く、ある意味非常にタイピングし易いキーボードです。

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今回紹介するために実家から持ってきました。初号機なので基板のクリーニングも兼ねて内部を分解してみました。

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現行のPCと比較してもかなりICが並んでいて部品数もかなり多いのが覗えます。

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電源部。

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マザーボード。汎用ICがびっしりと敷き詰められた基板である。基板の大きさは、横47×縦37cm。1043
マザーボードの裏面。ジャンバー線がかなりあります。

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CPUはNEC μPD8086(5MHz)で下はオプションだったコプロセッサ

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グラフィックは専用のGDC(Grahipc Display Controller:μPD7220)を搭載し、640×400/8色を実現していたPC-9801は、驚異的なスペックだった。

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背部です。拡張スロットが6個。丸コネクタが、8inchフロッピーディスク用の電源です。ディスプレイのコネクタが、デジタルRGB用、モノクロ用。5inchフロッピーの端子、98の特徴でもあるディップスイッチ群。

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CRT(PC-KD551:デジタルRGB)を接続してみました。

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電源を入れ、ROMのN88BASICを起動させます。

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ベンチマークです。(久しぶり)
5 TIME$=”00:00:00″
10 A=0
20 For I=1 to 10000
30 A=A+1
40 NEXT I
50 PRINT A
60 PRINT TIME$

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結果は23秒
PC-9801   23秒μPD8086(5MHz)
PC-8801 55秒μPD780C-1(4MHz)
MZ-700   30秒Z80A(3.5MHz)
X1(CZ-801) 30秒Z80A(4MHz)
PC-980EX4 6秒 80286(10MHz)
PC-980EX4 4秒 80286(12MHz)
PC-9801RA 2秒 Cyrix Cx486DLC(25MHz)
PC-286BOOK 4秒 80286(12MHz)
FM-7 14秒 MBL68A09(8MHz)
FM-8 23秒 MBL68A09(4.9152MHz)
MZ-2500(2000mode) 26秒 Z80A(6MHz)
MZ-2000 26秒 Z80A(4MHz)
PC-8201 47秒 80C85(2.4MHz)
MZ-80K 49秒 Z80A(4MHz)
MZ-80C 50秒 Z80A(4MHz)
HC-20 1分35秒 日立製 6301 614kHz
PC-2001 4分13秒 μPD7909

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本体スペックは
CPU NEC μPD8086(5MHz)
Main Memory 128KB(Max 640KB まで拡張可能)
搭載 ROM N88-BASIC(86) ROM、モニタ ROM(96KB)
内蔵 FDD I/F 5.25 インチ 320KB FD I/F
8 インチ 1MB FD I/F

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内蔵 HDD I/F 無し(拡張ボードで対応)
グラフィックス仕様 640 × 400 dot/8 Colors
VRAM 96 KB 搭載
搭載I/F 1MB FDD、320KB FDD、セントロニクスパラレル
RS-232C、B/W CRT、デジタル Color CRT

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最初にも書きましたが当時はまだ私は中学生でゲームプログラムばかり打ち込んでいたためビジネス指向の強いPC-9801はあまり興味がありませんでしたが時代は既に16bitへ移行していきN88BASIC互換のある本機への移行は必然的な流れでした。

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このPC98シリーズは15年にわたって日本のPCを引っ張ってきたマシンでした。98自体がメジャーになったのはこの後紹介するPC-9801Fシリーズで5inchFD(2DD)を2基標準搭載したマシンでした。(我が家もF2を初めて購入しました。)実際にはPC-9801VMが基本的にその後のPC-98の標準機となってため、本機のスペックは過渡期的な仕様でしたが初号機の特徴でもある堅牢な作りでコストもしっかりとかけたマシンで1号機として十分なPCでした。

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