EPSON PC-286BOOK STD 1990年 標準価格 258,000円
今のノートPCよりサイズが若干大きいタイプのPC。それゆえBOOKという名称がついていました。
サイズはとてもノートPCというサイズではなく、ちょうどA4縦サイズ1.5枚程度の大きさで、むしろ当時のワープロ専用機を小さくしたような筐体。本機の発売前のノート型PCはCPUが8086互換のV30が主流でした、まだ80286を採用したマシンは少なく当時はパワフルなノートPCでした。
液晶を開くと inchのモノクロ液晶とキーボードですが、キーボードはノートPCというよりデスクトップ用のキーボード用と遜色のない作り、いま仕事で使っているEPSO製のキーボードとほとんど変わらないのがすごい。ノート型を意識せず普通にタイピングができるのはいいです。
本機の特徴はデスクトップPCと同様にFDを2基搭載しているのが特徴です。
向かって右側はボリュームとテンキー端子、そして2基のFDD。HDを搭載していいないのでFD2つは非常に便利です。
左側は電源とモデム用のスロット。
背部は電源と各種インターフェイス(ANALOG RGB8pin,printer,FDD,Mouse,RS-232C)を装備。
本機は当時NEC(N88やMS-DOS)と著作権で争っており直接NEC製のOSは動かすことが出来ず、とソフトウェア/インストレーション・プログラム(EPSON)を使ってコンバートをかけていました。
本体スペックは
CPU 80C286/12MHz
RAM ユーザーズメモリー 640KB
テキスト用 VRAM 12KB
グラフィック用 VRAM 256KB
ROM ROM BIOSその他 96KB
LCDユニット FTNモノクロLCD(サイドライト付き)
640×400ライン モノクロ8階調表示
HDD ハードディスクパック(20MB)を内蔵可能
本体:約5kg
当時のノートPCはFDは1基しか搭載していないのが多く、アプリケーション(一太郎やLotus123など)自体がFDベースで起動していましたが
プログラムサイズはFD1枚で収まらなくなってきたため、複数に分けるか1枚に収まるように工夫するなどしていましたがFDが2基装備されたことによりアプリケーションの起動の煩わしさから解放された。
MS-DOC時代の表計算ソフトLotus123です。この頃は表計算といえばExcelではなく、これでした。
MS-DOS Ver5です。
いつも行っているベンチマークです。エプソン製の日本語DiskBASICを使って
5 TIME$=”00:00:00″
10 A=0
20 FOR I=1 to 10000
30 A=A+1
40 NEXT I
50 PRINT A
60 PRINT TIME$
を行いました。CPUが80286あたりになるとなかり速くなります。
PC-286BOOK 4秒 80286(12MHz)
MZ-2500(2000mode) 26秒 Z80A(6MHz)
MZ-2000 26秒 Z80A(4MHz)
MZ-80C 50秒 Z80A(4MHz)
HC-20 1分35秒 日立製 6301 614kHz
本機は今のノートPCのように片手で持ち運ぶには無理があるのでしっかりとした取っ手がついています。
この当時のノートPCのキーボードはHC-20やPC-8201などにも言えますがきっかりとした作りで、現在の薄さと軽さを重視したものとは一線を期すもので非常にタイピングしやすいのが特徴です。
最後にVAIO_Pと比べてみました。20年経つとこれだけ小さくなるものだと技術革新には驚かされます。
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