00年代、大画面と薄さを両立させたVAIO初のA4スリムサイズというVAIOが描いた理想のモバイルバランス

90年代後半には前回紹介したThinkPad570のようなA4サイズのスリム型ノートPCが他社から登場する中、VAIOにおいても2002年、ソニーから画期的なコンセプトのノートパソコンが登場しました。
B5ノートの携帯性とA4ノートの使いやすさ。この二つの相反する要求を絶妙にバランスさせた、まったく新しいカテゴリーの提案でした。14.1インチの大画面と約2kgの軽量ボディ、そして最薄部17.7mmという驚異的な薄さでした。
発売当初からA4スリムサイズは気にはなっていましたが購入することなくきてしまいその後中古品で購入した1台です。 
ハードディスクの交換
電源を入れて見ましたがジャンク品ということで起動せず。起動画面かあHDDの障害の為、進みません。セクターエラーが出ています。 4160
底面部。ここにも「VAIO」の彫り込みロゴが入っている。
HDDへのアクセスは裏面からできます。
IDEタイプの40GBでしたので、80GBのHDDと交換しました。
本機はドライブを搭載していないのでUSBタイプのDVDドライブ(純正)でOSインストールしようとしましたがBIOSがUSBドライブを認識しませんでした。 PCカード経由かiLINK経由なら認識したのでOS(WindowsXP)をインストールしました。 
ちょうどいいを追求したサイジング

本機は14.1インチ液晶を採用した大画面ながら薄型/軽量化を図ったモバイル型のVAIO。
最大の特徴は、そのサイズ設定にあります。当時のノートPC市場は、12.1インチクラスのB5モバイルノートと、15インチ前後のA4ノートはデスクトップ代替として二極化していました。
B5ノートの限界 PCG-SR7
VX7/BDはSRより800g重いが、画面面積は約1.8倍に広がる。「持ち運びたいが画面の小ささに不満を持っている」というSRユーザーの不満を正面から解消した選択肢ができた。
B5ハイエンド R505シリーズの差別化
R505の最薄部29.4mmに対し、VX7/BDは17.7mm。
この11mm以上の差は、カバンに入れたときの存在感にも、机の上に置いたときの印象にも、大きな違いをもたらしました。また液晶サイズも12.1インチ対14.1インチと1世代分異なり、表示領域の広さは作業効率に直結する。
重量がほぼ同じでこれほどの薄さと大画面を手に入れられることが、VX7/BDの最大の魅力でした。
A4ハイエンド GRシリーズとの違い
DVD-ROMドライブを内蔵し、テレビ録画機能を持つ上位モデルも存在する。しかしその代償として、重量は約2.8kg、最厚部は40mm前後に達する。
GRはあくまで「持ち歩けるデスクトップ」であり、毎日の通勤・通学に持参することは想定されていない。VX7/BDはGRと同じ14.1インチXGA液晶を持ちながら、重量を約0.8kg、厚さを最薄部で20mm以上削ることに成功した。光メディアドライブを外付けにするという割り切りが、このスリム化を可能にしました。

デザインと外観

VX7/BDのボディには、天板とパームレスト部に当時のVAIOノートとして先進的だったマグネシウム合金を採用しています。マグネシウム合金は軽くて剛性が高く、薄型筐体でも十分な強度を確保できる素材。カラーは落ち着いたグラファイト系のダークトーンで統一されていて、「VAIO」の彫り込みロゴが目に止まります。ビジネスシーンでも違和感なく使えるスタイリッシュな仕上がりになっています。
本体後部は最厚33.1mmとなるが、これはバッテリーパックと熱排気グリルが集中する部分であり、デザイン的にも視覚的なテーパー形状となって薄さを強調している。後部右側面には大型の熱排気グリルが配置されているが、冷却ファンの風切り音は実用上気にならないレベルに抑えられている。
タッチパッドの手前には「センタージョグ」を搭載。回して選択し、押し込んで決定するこのインターフェイスは、液晶輝度の調節・ウィンドウサイズの変更・アプリのメニュー操作などをマウスなしで直感的に操作できました。
これはバイオノートSR同様でバックボタン付きのセンタージョグを装備しています。
キーボードは19mmのキーピッチと2mmのキーストロークを確保しており、薄型ボディでありながらタイピングの快適性を犠牲にしていません。87キー配列で、ノートPCに慣れていないユーザーでも違和感なくタイプできました。
正面左側のインターフェイス類。無線LANのON/OFFスイッチ。
カバーに隠れているが100Base-TX対応有線LANコネクタ、D-Sub15ピンとIEEE 1394端子、USB、PCカードスロットを備える。。IEEE 1394端子はi.LINKドライブ専用コネクタでした。電源供給ピンを持たない4ピンタイプだが、このコネクタは電源供給用の端子を別途備えておりDVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブが外付けIEEE 1394接続である点でした。
これにより本体の薄型化を実現しながら、必要に応じて光学ドライブを利用できる柔軟性を持たせていました。
右側。
冷却設計「ハイコンダクタンス ライナイテッドポシェラ構造」
薄型ボディに高性能プロセッサを収めるための冷却設計として、VAIOが独自に開発したヒートパイプ方式「ハイコンダクタンス ライナイテッドポシェラ構造」を採用。熱伝導に優れたヒートパイプを活用しつつ、ヒートシンクとファンの配置を最適化することで、薄型・軽量ボディのまま効率的に熱を排出する仕組みを実現していました。(PentiumⅢは結構発熱量がありました。)
こちらもカバーに隠れていますがモデム端子、USB、ヘッドホン端子、マイク端子、電源コネクタを装備しています。

外出先でプレゼンテーションを見せる、映像を編集する、地図ソフトを使うといった用途でも、広い表示領域はそのまま快適さに直結します。 輝度調節はセンタージョグで即座に操作でき、室内から屋外まで環境に合わせたチューニングが容易でした。
性能とCPU
メインメモリはオンボード128MB+MicroDIMMスロット1基に128MBを搭載した計256MBが標準構成。スロットの256MBモジュールと交換することで最大384MBまで拡張できました。グラフィックスはi815EMチップセット内蔵のビデオ機能を利用し、メインメモリと最大11MBを共有する方式。スペック的にはDVD-Video再生・動画編集・一般的なオフィスワークでは動作のもたつきは感じられません。
本体スペックはCPU:Mobile PentiumIII-M-850MHz
メモリ:256MB
LCD:14.1インチ 1024×768ドット/フルカラー
HDD:30GB→80GB
光メディアドライブ:CD-RW&DVD(CD-R8倍速/CD-RW4倍速/DVD8倍速/CD24倍速、外付け)
通信:モデム&LAN&無線LAN
サイズ:312.8(W)×261.5(D)×17.7~33.1(H)mm
重量:約2kg
ショート動画 1 minute 40 seconds
理想のバランスを求めた挑戦
B5とA4の間を埋めた先駆者
PCG-VX7/BDは「B5ノートでは画面が小さすぎる、しかしA4ノートは重すぎる」というジレンマに対する、ソニーからの明確な回答でした。14.1インチというサイズ選択、17.7mmという薄さ、約2kgという重量。これらすべてが当時、携帯性と使いやすさの最適なバランスを追求した結果でした。
スリムな直線的でスタイリッシュなスタイルは一目惚れするものでした。そして低電圧版Pentium III-M 850MHzという性能は、最先端ではありませんでしたが、ビジネスアプリケーション、マルチメディア用途には十分でした。約4~11時間というバッテリー駆動時間は、モバイルユーザーに安心感を与えました。
2002年、ソニーが提案した「ちょうどいいサイズ」という新しい選択肢は、後のモバイルノートPC市場に大きな影響を与えました。13インチ、14インチというサイズが現代のモバイルノート主流となったことを考えると、PCG-VX7/BDはその先駆者だったと言えるでしょう。残念ながら1世代で終わってしまいましたが理想のバランスを求めた挑戦は今見直しても色褪せることのないスタイルでした。


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