20世紀最後にソニーが提供したDSC-S70を今使う

カメラ
Cyber-shot DSC-S70 (Sony) 2000年 113,000円
オールドデジカメの魅力。324万画素とカールツァイスが織りなす世界感
当時SONYの主力カメラでした。本機は以前紹介したDSC-Fシリーズが主力でしたが、構造上光学レンズを搭載することが難しかったのか構造を一新して投入された1台。 

本機は新たに設計された1/1.8インチの330万画素CCDにカールツァイスレンズと、ビデオカメラ用の大容量バッテリーを搭載して駆動時間を大幅に伸ばした「スタミナ」シリーズでした。 
 
この光学レンズは Carl Zeiss(Vario-Sonnar)でボディの質感とサイズはイマイチでしたがレンズが良かったのか330万画素のスペック以上に良い画が撮影できます。このCarl Zeissのバリオゾナーはカール・ツァイスの写真レンズで、広角、標準、望遠に関わらずズームレンズに用いられていたレンズでした。 
デザイン的は現在のカメラのような中央にレンズユニットがあるのではなく、片側に配置されている今となっては珍しい配置です。 
スペック的には撮像素子は 1/1.8 型 CCD、実効画素数は約 324 万画素(最大解像度 2048×1536 ピクセル)でした。レンズは光学 3 倍ズーム(35mm 判換算で約 34–102 mm 相当)、開放 F 値は広角側 F2.0、望遠側 F2.5 と比較的明るめで5mm 判カメラに近い感覚”を重視した設計でした。 
ファインダーも装備され液晶越しの撮影より光学ファインダーは視度調節が可能で使い勝手は非常に良かったです。 

本体上部です。Play、静止画、Movie(MPEG1、音声なし)の切り替えスイッチとシャッター、液晶パネル、MIC。 

バッテリー、メモリースティックはラージタイプ。当時このスペックを盛り込むと筐体は他のサイバーショットシリーズとは別格でかなりの大柄でした。 

反対側には指導調整ダイアル、外部フレッシュ端子、USB端子、AV出力。 

素材もプラスチックで質感もそれなり、カメラらしくグリップ部はしっかりとしていてホールド感は一眼レフ並でした。 

液晶部と各種設定系のスイッチが並びます。  

電源を入れると沈胴式レンズが自動的に前に出て来て、電源を切るとにすると自動的にボディ内へ収納する構造です。動画にも対応している(私は使用ませんでしたが)為、ツァイスのレンズでビデオが撮れるとうメリットもあったのかもしれません。  

メニュー系は十字キーで操作しますが若干レスポンスが遅い。 

部屋にあるものを撮影してみました。(BeoSound5)
amadana DT-120

前回と同様、自宅の周りを撮影してみました。
バリオゾナーの性能かCCD、AFとの相性かコントラストの高い画質でありながら描写力が高く、特に解像感はカールツァイスレンズらしい。
特に接写はSuperHAD CCDによる画素上に存在するマイクロレンズ間の無効領域が最小になるように、マイクロレンズの形状を最適化され、入射光のロスが小さくなり、ノイズが低減し感度も向上したという。接写時は若干暗めですがこのカテゴリーのカメラとは思えない解像度がよく表現されます。写真は部屋で栽培しているレモンの木。 

本機はSONYが20世紀最後に送り出したカメラでした。本機は筐体サイズや重量、デザインはある程度スルーし光学レンズを中心にシフトしていたのが窺えます。特にカールツァイス製のバリオゾナーレンズは高いコントラストと色の表現の深さを感じるデバイスでした。 
私は当時、本機が発売される前にCAMEDIA C-2000 ZOOM(オリンパス)を愛用していました。画像数こそ200万画素でしたが大口径F2.0の明るい光学3倍ズームレンズでコンパクトで扱いやすいカメラでした。このスペックでもう少しサイズが小柄だったら最高の名機になっていた1台です。 
 

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