Apple Pro Speakers

 2000年に登場したPower Mac GA Cubeは透明なアクリル製球体筐体が特徴で、下部分はこのアクリル部分が遠目から見ると浮いているように見えました先進的なデザインでした。
 このCubeの1つが付属の丸みを帯びた球状のスピーカでした。このスピーカーはハーマン・カードン(Harman Kardon)社との共同開発による小口径コーンユニットが搭載されています。出力は半透明な黒色筐体のデジタルアンプで構成されていてUSB接続でCube用として小型ながら迫力のある高音質なサウンドが特徴的でした。
 但し、このアンプ内蔵のPro SpeakersはUSB経由で他のMacintoshやWindowsPCでも利用可能でしたが市販されずCube専用だったため、なかなか入手が難しものでした。

初期のPro Speakers(Cube用)のエッジ交換

初期のProSfpeakerは経年劣化によりエッジ部分がボロボロになります。通常のスピーカー同様に交換が必要です。

このエッジはAmazon等で2inchウレタンエッジ(外径:50mm内径30mm)購入ができます。

買ったまま未開封のPowerPC G4 Cube用のPro Speaker。

開封してみましたがコーン部は初期タイプでエッジがボロボロ状態でした。  アクリル部も透明度が低下しています。

このままではまともな音がでない(音割れする)ので配線を取り除き、エッジの劣化部を取り除いていきます。 

綿棒にエタノール付けて溶かしていきます。 

綺麗にエッジ部が剥がれた状態です。  エタノールはAmazonで購入できる

ProSpekerのアクリル本体から配線を外します。  強く引っ張りすぎると切れるので注意が必要です。ラジオペンチでゆっくりと外して行きます。 リード線の+、ーをマーカーしておきます。

ProSpekerの本体。アクリル樹脂の汚れが目立つので界面活性剤で洗浄。(左が洗浄後)

以前MacCube用に購入した2inchエッジ(外径:50mm内径30mm)

エッジを木工用ボンドを薄くボンドを綿棒を使って貼り合わせていきます。 付けすぎるとムラになるので注意。

完成した状態。少し乾かします。 

エッジの張り替えと劣化したアクリルを磨くことによりオリジナルに近い状態に戻すことができました。この作業はエッジ交換スピーカーの極性さえ間違えなければ簡単なハンダ作業で行えます。このAppleProSpekerはハーマンカードン製ということもあり、基本的な音質は安価なPCスピーカーとは比較にならないものでまだ十分に使用する価値のあるスピーカーの利用方法でした。 

apple pro speakers

 その後、2001年にPower Mac G4用に別売りで販売したのが「ApplePro Speakers」です。接続はApple独自のオーディオポートによって1本のケーブルでつなぐだけ。サウンド面では、ハーマンカードンのオーディオ技術を採用していました。
 大きなマグネットの小口径コーンユニットを厚い透明勘脂で包み、コンパクトサイズでありながら70Hz〜20KHzの広い周波数帯域のサウンドを20W(各チャネル10W)で出力します。
 スペック的には申し分ないものでしたが独自インターフェイスであるため、通常のオーディオポートには接続できなかったのが課題でした。しかし、そのデザインと音質に惚れ込んだ多くのユーザーが自ら接続プラグを改造して使い続け、またサードパーティからアンプ内蔵の変換アダプタが登場していました。

ApplePro Speakersのミニプラグ(2.5mm)を標準的な3.5mmステレオプラグに変更。

独自規格のミニプラグ(2.5mm)からどのPCでも使用できる標準的なミニプラグ(3.5mm)に切り替える。

何故か過去にキーボードとセットで購入したものや、ハードオフで購入したものなど3セットほど有り、使い道を考えながら放置状態でした。 サイズの割にはharman/kardon製ということもあり音質はしっかりとしていました。元々はMac G4 Cubeにアンプ内蔵標準装備されていましたが、iMac G4版は2.5mmミニプラグ型となっています。 

 まず手っ取り早くトライしたのが2.5mmステレオミニプラグから標準的な3.5mmステレオミニプラグ変換アダプタです。結果は片側だけしか音声が出力されないためダメでした。   仕方なく、内部を分解して直節配線することにしました。

次にトライしたのが2.5mmミニプラグ型を切断して3.5mmミニプラグに変換する方法。これもAmazonで「3.5mmステレオミニプラグアダプタ はんだ自作用」699円を購入。

外カバーを外して端子部分です。ここから配線を行っていきます。

本体側、特殊形状の2.5mmのミニプラグを切断します。

切断したケーブルをカッターを使って外部被膜、シールド部を削っていきます。
内部はシールと線6本(青、白、赤、黄、茶、黒)が出てきます。 

余分なシールをカッターを使って取り除いていきます。

この6本のうち、スピーカー線として使用するのは白、青、黄、茶です。  Rは茶(−)黄(+) Lは青(−)白(+) です。。

半田付けするために上部を切っていきます。

念の為アンプ(Private A-X50)に繋いで音出し確認。

Amazonで購入した3.5mmステレオミニプラグアダプタを使用します。 
接続はこのような構成で半田付けします。

実施はこんな感じです。 (小さすぎて半田を盛りすぎ)

結果としては音は出力できました。 

しかし、Cube版のProスピーカーはアンプ内臓型ですがこのタイプは純粋なスピーカーなのでアンプ経由でないと実用的ではありません。2.5mmプラグ仕様は3セット全て3.5mm変更しました。 

結果としてはharman/kardonの球形デザインのApple Proスピーカーですが強度のあるエンクロジャーに大きなマグネットの小口径コーンユニットを搭載してこのサイズながらいい音を出力してくれます。さすがに低音域はではカバーできませんが中高音の再生能は十分だと思います。しかしながらアンプ経由での使用が前提となります。(PC型の出力Maxにすればそれなりですが。) 

ApplePro Speakersに内蔵アンプを増設

iMacG4FLATPanelに付属のApple Pro Speakerの2.5mmピンプラグを3.5mmに変更しましたが、アンプ内蔵ではないため純正なスピーカーとしては出力が弱いためアンプを増設

出力プラグが3.5mmとなり汎用性はありますが出力が弱く実用性が乏しいため、市販のUSBタイプのアンプを増設しました。 と言っても余っているUSBスピーカーからの移植です。

使用したのは使っていないUSBスピーカー(ELECOM製)3W

このスピーカーはアンプ内蔵でUSB1本で電源と音声が供給できるタイプ。 これならiMacやMacbookに接続でき内蔵スピーカーよりいい音が出そうです。 

スピーカーをバラしていきます。構造はシンプル。

右側のスピーカーにはアンプ基板が内蔵されていました。

ボックスを外した状態。  

残り3台くらいあるAppleProSpeakerを1台用意します

ユニット部のネジ3本を外します。

外れた状態。青(−)白(+)でL側です。 

Proスピーカーの配線内容

ユニット部を外した状態。 アクリル部は洗浄してスピーカー線の入り口はドリルで若干拡げます。

このUSBスピーカーはアンプ部をProスピーカー内に内蔵しないといけなく、配線の半田を取り除いたら基板部まで損傷してしまい失敗。 

気を取り直してAmazonでBuffalo製(1,083円)のUSBを購入。 

翌日到着しましたがよく見てポッチっとしなかったのがいけませんがUSBは電源のみで3.5mmのピンプラグ仕様。

とりあえす交換してみました。プラスチックのボックスからユニット部を外してスピーカー線の半田を溶かして交換。

片側だけ交換してみて音楽再生してみました。 Buffalo製も悪くはありませんが高音域はトビ気味(キンキン)で低音は弱い。 Proスピーカー側は低域から高域までBuffalo製と比べると豊かな音を鳴らしてくれます。。

完成した状態です。 アンプ内蔵タイプで電源はUSBで3.5mmのピンプラグ仕様。 標準仕様より実用性はあります。

目的はUSBで電源と音声が供給できることなのでELECOM製(1,455円)を再度購入してみました。 

ProSpeakerは黒のエッジのものを使用。 

Bafflo製より若干出力も高く見かけはいい感じでした。 VAIOに接続して音出ししてみました。  普通のPCスピーカーです。音源(hi-res)で再生、出力最大にすると音割れします。 

手前のカバーを外すとユニット部が見えてきます。

外れた状態。配線は半田部を溶かして外します。

アンプも含めた配線部。 ほしいのはこの部分だけです。

後は配線をするだけです。 ProSpekerの配線と合わせて半田付けします。 

完成です。 USBが電源と入力を1系統でまかなえる仕様です。

この状態でVAIOで同様にhi-res音源を再生してみましたが、さすがに1,400円のスピーカーとは音質が異なりました。
今回このProSpekerを通常の配線2mmから3.5mmプラグ変更。これは少し本格的なアンプに接続できる仕様。
アンプ内蔵35mmプラグ、電源がUSB仕様。これはUSB端子がない、またはUSBが少ないPC仕様。
そして通常はUSB1系統で電源と入力が行える仕様ができました。
スピーカーの極性と簡単なハンダ作業で行えます。このAppleProSpekerはハーマンカードン製ということもあり、基本的な音質は安価なPCスピーカーとは比較にならないものでまだ十分に使用する価値のあるスピーカーの利用方法でした。 

Apple Pro Speakersは、2001年にPower Mac G4とともに発表された球体のスピーカーで、シンプルで未来的なデザインが特徴です。デザインはHarman Kardon社が担当し、その球状の筐体は全体が透明な球体のプラスチック製筐体で覆われており、内部の構造が透けて見えるものでした。このデザインはG4 CubeやiMac G4などと非常に調和したものでした。

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