2.変性した偏光フィルム剥がしとヒンジフレーム補強
パネルのフレームを外して行きます。フレームは4カ所のネジのみでした。ヒンジ部の黒ネジ2本外しますし、カバーも外れます。
ちなみにこのモデルはヒンジ部フレームの強度に問題があり、パネルの開閉でこの部分がよく破損します。
このパネルも右側ヒンジの強度が弱く折れそうなので入れ替えます。
ヒンジはネジ1本と接着剤で固定されているだけです。
予備のヒンジ。これをフレーム内に入れて、瞬間接着剤で固定します。
カーボン製ヘラで手前のフレームを外して行きます。ここで驚かされたのは通常国産PCのパネルフレームはネジのみで固定されていますが、このパネルは4カ所のネジ伊以外は接着剤で固定されています。

力を入れすぎるとフレームが変形するので注意が必要です。フレームからパネルを外して行きます。

パネルのみが外れた状態。ここからいつも行っている変性した偏光フィルムをカッターで剥がしていきます。

偏光フィルム自体は意外ときれいに剥がれていきます。が問題はその下。



ガラスのTFTパネルにはかなりの量の糊が付着しています。

これが大変です。いままで経験したことがないような量でした。また有機溶媒臭もなかりキツいです。


この糊剥がしに1時間。大体剥がれましたが写真のようにまだ大分糊がパネルに付着しています。

これを糊剥がし剤を使って根気よく剥がしていきます。大変すぎて写真撮るのを忘れました。(1時間外で格闘していました。)糊剥がし剤をアルコールで拭き取りとこのような状態になります。


いったんパネルをマザーボードに接続します。 





電源を入れるとバックパネルが点灯しますが偏光フィルムを貼っていないので表示が見えません。

ここに普段VAIOなどで使っている偏光フィルムを被せてみます。


VAIOなどで使用している偏光フィルムは千円前後ですが15inch用は大型の偏光フィルムを使用します。(6千円) 1253 1254



この大型の偏光フィルムを型取りしてパネルに貼り付けました。

後は元に戻すだけです。

ここでも1番大変なのは映像コネクタをヒンジ穴に通す作業です。判っていてもかなり大変です。

バックライト用のコネクタはしっかりと差さないと点灯しないことと、配線が向きだしなので断線に注意が必要、ヒンジカバーを被せると完了です。

底部のフレームは手前からしっかりはめていかないと、正面が浮いてしまうので注意。


結構時間を費やしました。予想はしていましたがかなりの作業となります。個人的な感想は作業も複雑で時間もかかり、偏光フィルムのコストも考えると費用対効果は微妙です。たぶんパネル又はパネルが大丈夫なジャンク品購入したほうがいいのかもしれませんがG4 Titaniumの内部構造が理解できたのが1番のメリットでした。

完成して改めて動かしてみました。
本機はPowerBookG4 Titaniumの前機モデル(Mercury)。AppleのPowerPC G4を初めて採用したモデル。

このモデルの特徴は筐体にあり外装の素材はチタニウムを使い薄い/軽いを表現し、従来のPowerPC G3とは異なったコンセプトモデルでした。このモデルからパネル背面のアップルマークは、モニターを開いて使っている状態で、他人から見て正しく見えるスタイルに変更されています。

このモデルは特に顕著でパネル部や底部などは平面的なデザインです。

この筐体は直線的なデザインで構成されていて角の部分には丸みが付けられている、現在のMacBookのスタイルに近いデザインでした。

キーボードは変化がなく黒色に近い半透明色の薄めのプラスチック製。つや消しの銀色チタン素材ともいい感じでマッチングしています。 1522


ドライブ部もPowerBookとしては初のスロットローディングタイプになった。またこのドライブは前面スロットという特徴もあった。 1515


マザーボードです。PowerPC
主なスペックはCPUがPowerPC G4(400MHz)、メモリは512Mb、ハードディスクは30Gb、Combo Drive、GPUはATI MOBILITY REGE mobile128 、15.2TFT(1152×768)、AirMac(オプション装着済)、Gigabitイーサーネット等です。

CPU:PowerPC G4(400MHz)とGPU:REGE mobile128 1540 1539


また魅惑のOS9単独起動可能なTitaniumG4です。 1531


本機のコンセプトはチタニウムを採用し、軽量化と強度の向上を同時に実現のが目的でしたが、レビューにあるように素材が経年劣化が今となっては仇となっている部分もあったマシンでした。しかしながら従来のデザイン性は高かったが分厚いPowerBookの概念から脱却した次世代のMacBookを感じさせた1台でした。

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