Let’S Note mini AL-N0

Note_PC
Let’s NOTEの原点。モバイルPC黎明期を支えたコンパクトノート

発売日: 1996年9月11日 ネーム: PRONOTE Jet mini(直系前身機) ボディカラー: ブラック 価格は298,000円(税別)

1996年、Panasonicは初代Let’s noteAL-N1をビジネス向けにリリースした同年、その弟分として個人へ向けて静かに送り出されたのがこのAL-N0でした。 

AL-N1がビジネスモバイルPCとしてフルスペックで登場したのとは対照的に、AL-N0はほとんど語られることなく歴史の中に埋もれてしまっている。しかしこの一台こそ、後にLet’s note miniと称される小型軽量シリーズの礎を作った原点であり、パナソニックが個人ユーザーへのモバイルという夢を最初に届けようとした意欲作でした。(写真AL-N1)  DSC09358 既出 AL-N0のコンセプトはLet’s noteの前身モデルであるPRONOTE miniの設計思想を受け継ぎながら、モバイルユーザーのニーズを満たすことでした。PanasonicはAL-N0、N1以前から「PRONOTE mini」「PRONOTE Jet mini」といった名称でB5サイズ以下の小型PCを展開していました。そのエッセンスを継承しつつ、コンシューマーラインとして価格と使いやすさを意識して設計されたのがAL-N0でした。 

本機(AL-N0)とAL-N1とはボディサイズが異なりました。本機はPRONOTE Jet miniと同様に超小型モバイルという構想により通常のノートPCよりもはるかに小さい 7.8インチ液晶を搭載した超小型モバイルノート(B5ファイルサイズよりも一回り小さい)として発売されました。 

本機のの最大の個性は、その徹底した小型・軽量へのこだわりにありました。本体サイズは幅255mm × 奥行162mm × 高さ36.4mmというコンパクトなフォルム。B5用紙とほぼ同じ面積に、当時のビジネス用途に必要な機能をすべて詰め込んでいました。 本機はPanasonicはブランドを整理しPRONOTE miniの後継モデルであり、同時にLet’s noteブランド最初期のモデルでした。

外観は艶消しブラックの筐体を基調とした落ち着いたデザイン。前身機にあたるPRONOTE miniのフォルムを継承した洗練されたラインに仕上げられています。(外観はPRONOTE miniとほどんど違いがありません)剛性を保ちながらも薄型を実現した筐体設計は、当時の国内メーカーの中でも突出したクオリティを誇っていました。 

液晶ディスプレイは7.8インチのDSTNカラー液晶を採用。解像度はVGA(640×480ドット)で65,536色の表示に対応する。同時期の競合機の多くが640×480に留まっていたなか、外部CRT出力では最大1024×768ドット(256色)までの出力に対応していました。AL-N1が高精彩な10.4インチSVGA TFTを誇ったのに対し、AL-N0はひとまわり小型のVGA STN液晶にとどまっていました。当時の個人ユーザー使う分には、むしろこのサイズ感の方がコンパクトで扱いやすかったという側面もあります。 
キーボードは日本語106キーボードの配列を採用した88キー、17mmピッチを確保。5624 このサイズのマシンとしては異例の打鍵間隔であり、長文入力は若干厳しい部分もありましたがこのサイズでは実用性を備えていました。(ただし端部のキーは13mmピッチと若干狭め)。 
ポインティングデバイスには直径16mmの小型トラックボールを内蔵。 
AL-N1がビジネス向けとしてスライドパッド方式を採用していましたが、本機のトラックボールの採用はAL-N0のひとつの個性となっていました。指先でくるくると転がすだけでカーソルを操作できる直感性が、多くのユーザーに支持されていました。 

正面左側はシンプル。バッテリー挿入口のみ。  
インターフェイス類はシリアルポート×1(Dsub 9ピン)、パラレルポート×1(Dsub 25ピン)、外部ディスプレイ出力×1(アナログRGBミニDsub 15ピン)、外部マウス/キーボード端子×1(ミニDIN 6ピン)、FDD専用コネクタ×1(外付けドライブ接続用)、IrDA赤外線通信×1(最大115.2Kbps)。 赤外線通信(IrDA)の標準搭載は当時としては先進的な仕様であり、プリンターや他のPC間でのワイヤレスデータ転送が可能でした。 
右側、マイク入力×1(ミニジャック)、ヘッドフォン出力×1(ミニジャック)、拡張スロットとしてPCカードスロット(TYPE 2×2、またはTYPE 3×1)を搭載。モデムやLANカードといった周辺機器との接続が可能で、当時のビジネス用途における通信環境の構築にも対応できた。 
本体スペックは CPU:AMD Am5x86-133MHz
メイン:メモリ標準24MB(最大24MB)
VRAM:1MB ハードディスク:810MB
液晶:7.8インチ DSTNカラー液晶(VGA 640×480ドット / 65,536色)
グラフィック:Chips and Technologies CT-65548 外部CRT出力:最大1024×768ドット(256色)
サウンド:SoundBlaster互換(モノラルスピーカー内蔵)
PCカード:TYPE2×2 または TYPE3×1 キーボード:OADG準拠88キー(17mmピッチ)
ポインティングデバイス:16mm径トラックボール
外形寸法:幅255mm × 奥行162mm × 高さ36.4mm
質量:約1.31kg(バッテリーパック搭載時)
バッテリー駆動時間:約1.7時間〜3.4時間消費電力15W(最大)
電源:AC 100〜240V(50/60Hz)
OS:Windows 95 / Windows 3.1(モデルによる)
標準価格:298,000円(税別)
CPUには当時コストパフォーマンスに優れたAMD 5×86 133MHzを採用していました。AL-N1が満を持してIntel Pentiumを搭載したのとは異なり、家庭用途に割り切ったAMD採用は合理的な選択でした。Windows 95を快適に動かせる性能は確保しており、表計算・ワープロ・インターネット閲覧といった当時の個人ユーザーの用途には十分応えられる水準でした。なお本機はWindows 95プリインストール版とWindows 3.1版の2バージョンが用意され、OSS移行期のユーザー事情に対応していました。  
本機の後続機として登場したet’s NOTE AL-N1と並べてみました。  
AL-N1がTFT液晶・Pentium・バッテリー2本・SVGA解像度という最高スペックを追い求めたのとは対照的に、AL-N0は個人でで使える仕様・価格を重視したものでした。   5656
90年代後半のLet’s noteの完成型初期モデルでありトラックボールが特徴だったAL-N2と並べてみました。 
AL-N2はPanasonicのB5サイズの完成形でもあり、ハードウェア的にも10.4インチTFT液晶、PentiumMMXのCPU、光学式トラックボール、バッテリー管理機能強化など当時のモバイルPCとしての完成度が高い1台でした。こうしてみるとAL-N0はLet’s note miniというサブブランドに直接の先祖だということになります。 
Let’s note mini AL-N0は、従来のPRONOTE miniの技術を継承しつつLet’s noteブランドの初期モデルでした。後Let’s noteシリーズは、軽量・長時間駆動・堅牢性という特徴を武器にビジネスモバイルの定番ブランドへと成長していきました。
本機はどこでも使える本物の道具というコンセプトを、1.31kgという軽さと充実したインターフェース。これは時代の先を走る先駆者でした。 

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