VAIO QR3の液晶パネルをQR1に移設。
ビネガーシンドローム状態のQR1パネルを外してQr3のパネルをQR1パネルフレームに移植していきます。見た感じはかなり近いパネルっぽいのでビネガーシンドローム状態QR1を偏光フィルムを外す前にトライしてきます。(偏光フィルムの剥がしは大変で、しまも15inchの偏光フィルムは高額)

QR1パネルはパネル周辺の黒いプラスチックフレームがネジで留められているので外します。

フレームが外れて液晶部のネジを蓮ととパネルが外れます。

パネル背部です。本体パネルのコネクタとバックライトのインバーター用のコネクターの2つがあります。

これでQR1の液晶フレームからパネルが外れました。このパネルは時間があるときに偏光フィルムを剥がし、糊もはがします。
次にQR3のパネルを外す作業を行います。

QR3は表面4カ所と両脇のスピーカー端子部のネジを外すとパネルフレームが外れます。


QR3のパネルは劣化もなく良い状態です。

気をつけなければいけないのはこのパネルは表面4カ所だけではなくスピーカー端子部にもネジがあり、ここを外さないとプラスチックのフレームが外れません。

背部のコネクター。QR1と同じ構造ですがパネル端子の形状が異なります。本体側のコネクター端子は同型なので移植時はQR3用のケーブルを使用します。


バックライトのインバーター部は同じでした。

また、パネルを支えている金属フレームは微妙に形状が異なりました。


QR1用のスチールフレームをQR3パネルに接続してQR1用のパネルカバーに装着しました。サイズ的には問題ありません。QR3のパネルはそのまま流用できます。

ヒンジ部を留めて電源を入れ、無事OSが起動しました。 


もう1点違いが発見されました。HDDのIDEコネクタ部も微妙に異なり、QR1用のIDEコネクターは使用できずQR3用を使用しました。


残りは黄ばんだキーボードを漂白して全体のバランスを整えます。

移植が完成、結果としてはVAIO PCG-QR3のマザーボード、LCDパネルは流用が可能で、PCG-QR1への移植は可能でした。

サマリーです。
1.マザーボードにはパネルスピーカー用の出力端子が存在する。(使用しない)
2.メモリースティックスロット用の入出力端子と基板が存在する。(使用しない)
3.スライドパット用の基板が異なる。(QR1用が可)
4.LCDパネルはコネクターの形状が異なる。(QR1用が可)
5.HDDのIDEコネクタが異なる。(QR1用が可)
6.コンポドライブのベゼルが異なる。(QR1用が可)
7.CPUがモバイルCeleron 500MHzから850MHz。そのまま使用できましたがグリスは塗り直したほうがいい。
8.QR1のWindowsMEはネットワークドライバーがerrorになる。リカバリー後はWindowsXP仕様

ハード的にはある程度動くようになったのでシステムをリカバリーしました。QR3は標準がWindowsXP HOME Editionでした。

改めてQR1です。2,000年に発売された本機は、当時のSONYのパワーとアイデンティティーを感じさせる1台です。ポリカーボネートにVAIOロゴが強調されるブラック基調のパネルがまず眼に止まります。

持つをコンセプトとしてパイプフレームも本機でした体験できないデザインでした。

取っ手の部分もデザイン性を感じさせるアクセント。

底部にもVAIOロゴとゴム足部分にもデザイン性を持たせています。


またこのパイプをモチーフとしたパネルに象徴的なVAIOロゴがかなりのサイズでデザインされていてかなりのインパクトがあります。

パネルを開くと、交換が終わった13.3型、XGA対応、TFTカラー液晶と個性的な入力デバイスが眼に止まります。

スライパッドの形状も個性的ですが十分実用性もあります。

キーボードは標準的な配列ですがキー自体は丸みのあるデザイン性の高い形状です。

本体左側はコンボドライブと排熱孔。

ヒンジ部もパイプラインが美しく収まっています。

右側、USB、オーディオ端子とPCカードスロットです。マザーボードがQR3なのでボディを加工すればメモリースティックスロットが使えますがオリジナルのままです。

Sonyオリジナルのジョグダイアル。

久しぶりにこのVAIO QR1を長期に関わる事になり、改めてコンセプトに対するデザインのこだわりを感じました。

このコンセプトVAIOは仕事にプライベートと様々な用途にも馴染むデザインでした。(ビジネスには若干無理がありそうですが)和室に持ち込んでみました。
意外と和の環境でも馴染みます。

このような個性的なPCを見ることが殆どなくなってしまったのが残念ですが、このVAIOコンセプト。

新しいVAIO社でも是非取り入れてもらいたいものです。

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