テレビの録画スタイルを変えたHDDビデオレコーダ 「Clip-On」 SVR-515 2001年
初期のHDDレコーダー。本機が発売された当時(2001年)はDVDディスク録画タイプからハイブリッドレコーダー(HDD+DVD)に切り替わる過渡期に登場したモデルでした。当時のキャッチコピーは”テープがなくても、どんどん録れる。ハードディスクレコーダー”
SonyはこのClip-Onは記録用ドライブを搭載せず、HDD録画と特化したモデルとして売り出しました。
更に当時はEPG(電子番組ガイド)と連動した録画予約はHDDハイブリッド機比較しても優れEPG連動録画機能と更新録画機能、さらにキーワードによる録画機能など今では当たり前の機能を最初に取り入れたデバイスでした。
コンセプトとしてはディスク録画ではなくテレビ番組を自由に録画し見たいときにその番組を再生して見られる。そして見終わったら削除でき、EPGの番組表から見つけては録画するというカジュアルな使い方ができた1台でした。
本機はClip-Onの中でも後期モデルです。中央のブルーのLEDが特徴的な直線的なデザイン。初代のフロントパネルはアルミ製でしたが本機はコストダウンの為かプラスチック製。
本体の操作系は十字型のハードウェアキーのみ。ハードディスクはHDD容量は40GBで、録画モードは「HQ(MPEG-2/11.5Mbps)」、「SP(MPEG-2/5.8Mbps)」、「LP(MPEG-2/2.8Mbps)」の3種類。
再生、録画予約などもほとんどの操作はリモコンで行います。当時は本機とHDDハイブリット機(RD-X1)を使い分けしていました。RD-X1は番組を記録しライブラリー化する便利でありましたがEPG録画には対応していませんでした。またHDD専用という仕様上しかたないが書き出しが出来ないのが欠点でした。当時はせめてi-Link経由でもいいのでVAIOに出力できれば面白かったと思っていました。
背部です。この時代はまだアナログのRCAピンプラグ仕様。当時はアナログ地上波を録画していました。
久しぶりに起動させてみました。HDD音は大きいですがシステムも起動します。
システムが起動し録画も可能でした。
仕様上アナログチューナーのみなので地デジは録画できませんがDVD映像を録画(SPモード)してみました。
映像フォーマットはMPEG2。それほどブロックノイズも発生しなくていい映像が今でも録画できます。本機は保存の必要がなく見たい番組を見れれば消去できる用途。仕事で忙しくテレビを見る時間がない場合や夜中の番組など見落としてしまう番組をハードディスクに記録する新しいスタイルの提案が本機でした。
本機はハードディスクがテレビ録画の楽しみ方を変えました。今では当たり前の機能ですが録画中に、録画済み部分を再生できるタイムシフト再生、キーワードを使って見たい番組自動録音できるお好み自動録画など当時はテレビ視聴の扱い方が一変する機能を備えていました。
ハードウェア的にはHDDの容量は40GBと少なく、最大でもHQモードで約6時間、SPモードで約13時間、LPモード約26時間と映像の撮り溜めが出来ないことが1番のデメリットでした。しかしながらテープやディスクがなくてもどんどん録れて、好き時に簡単に再生できる先進性をもったデバイスでした。
番組をじっくり見るのではなく、時間を有効活用して、見たいときに録画されている見たい番組を見るという現在のスタイルに近い使い方ができるデバイスで当時は撮って見て、そして削除するかなりカジュアルな使い方をしていました。
本機のスタイルは更に進化してチャンネルサーバーCocoonへと進化しHDD容量も500GBまで増えライブラリー化も可能となっていきました。
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