その後、廃棄するのには思い入れもあったのでヤフオクでジャンク品(1,980円)を見つけました。

届いた「激安 PC98 ノートブック NEC PC-9801NL/A260A 起動音確認済み ジャンク」本機の上位機種でした。

電源は入りました。液晶が表示しませんがHDDの音は動いている雰囲気です。

モノクロ液晶はこのような状態。モノクロ液晶は経年劣化により偏光フィルムだけではなく液晶パネル自体も劣化している場合がありますのでできれば避けたいです。今回は偏光フィルムは剥がしませんでした。

とりあえず、パネルを外してみることにしました。前回と同様に両脇のネジ隠しをドライバーでこじ開けます。

手前のパネルフレームは2本のネジだけで止まっている様子。



フレームが外れた状態。酢酸の匂いが漂います。

この液晶パネルは2本のネジだけで固定されています。

奥が変性したパネル。手前はもともと所有の98NL/A120のパネル。

今回調達した(98NL/A260)のボディに元々のパネルをつけ直した状態です。


電源を入れると98固有の”ピポ”と鳴って起動し始めました。しかし起動時の画面ですがパネル全面に縦線が入っている状況。G-RAMの不具合?

表示不良のため、この購入した機体も分解していきます。

この機体のバッテリーも液漏れ状態。

バッテリー周りも炭酸カリウム痕が基盤近くまで侵食しています。

ハードディスク(260MB)は無事でした。MS-DOSVer6.2が起動しました。

この機種は基盤部が2層構造になっています。

マザーボードでない液晶パネルに接続されているボードだけ元の9801/NL (A120)のものに入れ替えます。

i486SXが搭載されているマザーボードはそのままです。このボードのほうがメインメモリが多く搭載されています。

一番厄介なのがキーボード。購入したPC-9801NL/A260Aもバッテリーの腐食があり、キーボード部が腐食の影響で入力が暴走気味。(時々特定のキーだけ連打状態になります。)

とりあえずアルコールで拭き取り元に戻していきます。

結果どうしたかというと
PC-9801NL/A120A 液晶、HDD(120MB Windows3.1)、メモリ(8MB)、基板(G-RAM部)
PC-9801NL/A260A ボディ、マザーボード、キーボード
を2個1にして完成。キーボードは暴走するキーがありますがとりあえず起動するので使用。部品がみつかれば入替。

完成というか元の状態になんとか戻った状態。久しぶりにゆっくりといじってみました。

PC-9801NLは、NECが1994年に発売した98NOTEの中では軽量(1.9kg)でモバイルを意識したノートPC

特徴的なデバイスとしてポインティングデバイスはトラックボール。

クリック部は本体側面にあります。

キーボードは若干キーピッチは短いですが、オアシスポケットやモバイルギアよりはタイピングができます。


正面左側。PCMCIAスロットが2枚挿入できます。 6111 6112


CPUはintel i486SX(33MHz)、メモリは標準1.6MB、現在は9.6MB、ディスプレイは反射型モノクロ液晶(8階調)。Windows3.1が軽量でメモリも9.6MBあるので起動も速く、レスポンスもいいです。

しかしながらLCD仕様640×400ドット(モノクロ8階調)ではWindowsは厳しい。

DOS環境なら問題ありませんが当時は無理矢理インストールした記憶があります。

アプリケーション。当時はMSのOfficeよりもワープロは一太郎、表計算はLotus1-2-3が主流でした。

いまでも使おうと思えば十分使えるレスポンスです。

本機は分厚い98NOTEの中ではスリムで軽量な私に取って理想的なPCでした。

DOS機として使用するのには申し分ない機体でしたが時代はWindows。残念ながらWindowsスペックに耐えられなかったことが残念なマシンでした。(この機体のように無理矢理OS入れれば使えますが)

今回、PC-98系のノートPCは数台所有していますが、10年以上放置状態でほとんどがビネガーシンドローム状態かコンデンサの液漏れで起動しないような状態が発見されました。次はPC9821Ltもこのような状態なので問題解決をしていこうと思います。

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