HR-S8000 (Victor)1988年 248,000円
S-VHSの初号機HR-S7000から質感とデジタル機能を搭載した2号機

HR-S7000はビデオデッキというデザインでしたが本機は外観質感を上げ、サイドウッド調の木目パネルなどで高級感が演出されています。

このデッキは2000年頃中古で購入し使っていましたがヘッドの摩耗やメカ部の不具合などで再生がきなくなり放置状態でした。外観や劣化が気になるFL管は状態が良かったです。

ジャンク品として再生不可、巻戻し/早送りは可というジャンク品を以前購入してありダメ元で年末時間もあったので2コ1作戦で復活を試みました。

部品取り用ジャンク機です。外見はそれなりですが蛍光管(FL管)は劣化が進んでいます。


ビデオデッキは私の腕では故障原因を見つけるのは難しいです。

VHSテープを挿入して再生してみます。ローディングを行おうとしますがヘッドが回らない状況です。

過去の事例からモーターベルトの劣化の可能性もあり底部を分解してみます。


モーターベルトを交換してみました。


これで再生が可能となりました。(ヘッドが上がるようになりました。)

次にFL管を交換します。

FL管回りの配線をひたすら外していきます。


かなりの配線です。



取り外した状態。

これをモーターベルトを交換した機体に移植します。入替前と後。


いまさらS-VHSをどれだけ使用するか微妙ですが動作検証してみました。LD機器のクリーニングしていたのでLDからダビングしてみました。


ヘッドはそれほど劣化が進んでいない状態です。録画は問題無さそう。


稼働状態になったHR-S8000です。本機は以前紹介したHR-S7000のマイナーチェンジ機でアナログビデオにデジタル機能を搭載したたデッキでした。

筐体もアルミフレームにより質感やデザインも当時のデッキでは他社にないものでした。

操作パネル系も前面カバーでクローズされスイッチ類はマスキングされたデザイン製の高いものでした。

前面のスイッチは電源、イジェクト、TV/VIDEOのキーのみ。S-VHS規格の水平解像度400本以上の解像度とTWINくし形フィルター、ANR回路、DC回路(ダイナミック・カラーレベル・コントロールサーキット)の搭載と当時のデッキの中ではかなりの高性能機だったと思います。

フロントパネルを開いた状態。かなりの操作系ボタン類が表れます。コントロールパネルにはトラッキング、垂直同期等今ではお目に掛かることがない、ツマミもあります。


LDからダビングした映像を再生してみました。


アナログ映像ですがプロフィール上ではかなり鮮明に録画されています。

デジタル処理はデジタルフリーズ(音声を聞きながら静止画)、ストロボアクション(連続静止画)、デジタルアート(モザイク/ソラリゼーション)などが行えます。写真はストロボアクションとデジタルアート(モザイク)。


親子/マルチ画面。

本機はS-VHS初期デッキの中ではかなり凝った作りで今ではこのような構造の機器はなかなかありません。

多機能リモコン。リモコンからもでデジタルエフェクトが操作可能です。


左側前面には、業務用カメラの入力端子もあります。

裏面はRCA入出力1回路S端子入出力1回路の簡素な作りになっている

本機は当時のVictorがHR-D725から始まったハイエンド機の中でも特にデザイン性とデジタル効果を使った多彩な映像を再生出来るS-VHSのハイエンド機でした。

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