カセット自体が反転する「ユニディレクショナル・オートリバースメカニズム」を搭載したカセットデッキ。
本機は2ヘッド・シン グルキャプスタンのリバース機。
正面から見るとカセットデッキ自体を回転させるために中央がなかり出っ張っています。
イジェクトするとトレイ部が手前にローディングします。
通常はヘッド自体を回転させていますがリバース時のアジマスズレを解消する為の画期的な?メカ構造。
カセットを挿入するとこんな感じです。
今までのリバース機はヘッドを回転させることによりA面とB面を聞くことができましたがヘッドとテープ走行位置とに微妙な位置ズレが出て音質に影響を与えるという問題がありこの為にカセットハーフを回転させるという逆転の発想で実現したリバース構造。
A面が終わるとテープごとカセットホルダーが出てきて、そのままカセット自身が反転しホルダーが本体に収まります。
音質(低重音のある)にこだわりのあるナカミチだからできたデッキでした。
フロントフェイスはナカミチらしい多くのスイッチが機能ごとに整理されているデザイン。
基本的な操作系は左側に配置されています。下部のスイッチはフェード(in,out)ボタンです。
背部になります。端子数は少なく入出力が各1系統のみ。
本体スペックは
録音:1
再生:1
レベルメーター:LED(-40~+10dB)
モーター:PLLサーボ、周波数分散型ダブルキャプスタン
SN比:BタイプNR ON 64dB以上 CタイプNR ON 70dB以上
周波数特性20Hz~20kHz±3dB EX(TYPEⅠ),SX(TYPEⅡ),ZX(TYPEⅣ)共通
歪率(400Hz,0dB,ZXテープ):0.9%以下
ワウ・フラッター:0.04%以下
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
外形寸法:450(巾)×144(高さ)×300(奥行)mm
重量:約10kg
ナカミチのこだわりはリバースデッキをなかなか発売しませんでした。有名なDRAGONでさえ再生のみのオートリバースでした。したがって本機がナカミチ初の録音再生オートリバースデッキでかつヘッドを回転させる方式がメジャーの中あえてカセットを反転させることによりアジマスの偏差にを極端に嫌ったものでした。そのこだわりがこのようなデッキを誕生させたのだと思います。
コメント