AirBood IDT-LF2 (Sony) 2002年
映像と通信を融合させたパーソナルIT機器
この機種はどのようなカテゴリーに含まれるのか微妙ですが、私は当時PCでもなくタブレットでもテレビとも言い難いこのデバイスをかなり好んで使っていました。
初代IDT-LF1、本機(IDT-LF2)、最終版LF-X5と3台購入しましたがその都度面白いコンセプトを当時のソニーはこのデバイスに投入していました。
本機は2代目にあたりますが初代はベース器とモニター部がワイヤレスで接続でき家の中でどこでもテレビが見れ、モデム回線でしたがメールやWEBも見れるTIテレビでした。
2代目になり若干小さめだったLCDサイズが10.1インチが、IDT-LF2では12.1インチにサイズアップしていて家で映像を見るには十分なサイズになりました。
最大の特徴はインターネットへの接続がモデムから10BASE-Tのイーサネットに変更された点でした。これによりWEB閲覧がかなり快適になりました。当時のWEB閲覧はPC上がメインでしたが本機の出現により気軽にリビングなどでインターネットが使えたのは非常に便利でした。
またPIP(Picture In Picture)機能があったため、インターネットをしながらTVや画像をみるなどの事も普通にできました。
モニタにはメモリースティックスロットを備えており,デジタルカメラで撮影した画像をアルバム化して閲覧できました。
メモリースティックや本体に保存された画像を表示する「アルバム」機能では、保存された画像にメモを加えたりすることもできました。
電子メールの受信簿やアドレス帳を個人ごとに管理でき、ソフトウェアキーボードとタッチペンにより日本語入力もスムーズにできました。
ほとんど使いませんでしたがベースステーションにはUSBポートを搭載しプリンタを接続できる。対応プリンタはそれほど多くはないが、モニタに表示された画面や保存された画像などを直接プリンタに印刷することも可能でした。
また、液晶モニタ用のクレードルが用意されていて、従来は液晶モニタはベースステーションに装着、ワイヤレス、ACアダプタを接続という3つパターンでした。
これにクレードルによるスタイルが追加され、クレードルに装着しておけば、バッテリの残量を気にせずにかつ充電しながら離れた場所で視聴できるので便利。
モニタのサイズは368(幅)×242(高さ)×52(厚さ)ミリと前モデルより一回り大きくなり,重さも約2.1キロとなって600グラムほど増えている。これは,液晶パネルを10.4インチから12.1インチにサイズアップしているためと,バッテリの容量アップによるものだ。「画面サイズだけでなく輝度も従来機の約2.5倍と明るくなっている。駆動時間は最大2時間となり,映画1本を鑑賞できるようになりました。
ただ,見やすさと長時間駆動の代償に,携帯性が犠牲になってしまったのは残念でした。。実際に持ってみると,2.1キロのボディは結構重い。「片手にエアボードを持ち,スタイラスペンで操作する」という利用スタイルは辛く。後継機で携帯性を重視したモデル(LF-X5)も発売された。
背部の端子類は豊富で ビデオ入出力端子も入力3系統(ビデオ×2,S端子×1),出力1系統(ビデオ×1)と充実,ビデオデッキやDVD,BSデジタルなどを接続し,ワイヤレスで映像を楽しめる。赤外線経由でAV機器を操作できるAVマウス端子が2系統用意されており,モニタから再生/停止やチャンネル切り替えなどの操作ができた。
本体スペックは
TV機能:NTSC方式,VHF 1~12ch/UHF 13~62ch/CATV C13~C35
液晶パネル:12.1型TFT(800×600ピクセル)
ベースステーション:10BASE-Tポート×1/アンテナ端子(F型)×1/ビデオ入力×2,同出力×1/S映像入力×1/モジュラージャック×1/AVマウス出力×2
モニタ側インタフェース:メモリースティックスロット×1/ヘッドホン端子×1/キーボード端子(PS/2)×1
無線通信変調方式:DS-SS(IEEE 802.11b準拠)
通信距離:約30メートル(屋内)
モデム:56Kbps(V.90準拠)
ブラウザ:HTML3.2相当(HTML4.0の一部機能を含む,フレーム対応,JavaScript,SSL),Flash Ver.5.0,画像(GIF/JPEG/PNG)
ユーザーメモリ:約8Mバイト
電源:ベースステーション:ACアダプター,モニタ:リチウムイオン充電池(駆動時間:最大約2時間)
サイズ:ベースステーション:260(幅)×170(奥行き)×130(高さ)ミリ,モニタ:368(幅)×52(厚さ)×242(高さ)ミリ
重量:ベースステーション:約1.2キロ,モニタ:約2.1キロ(付属バッテリー含む)
付属品:クレードル×1,ACアダプタ(ベースステーション用×1/クレードル用×1),リチウムイオンバッテリ×1,AVマウス×1
前段にも書きましたがこのデバイスはテレビなのでPCなのか。コンセプトとしては映像(放送)、通信(インターネット、メール)を融合させるデバイスでした。当時のPCスペックでは手軽にインターネットやTVを楽しむにはPCの起動に時間がかかり過ぎたりと気軽に扱えるものがありませんでした。
現在では各種タブレットがその役割を担っていますので本機はその先駆者であったのではないでしょうか。
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