ChipCard_VW-200 (IBM) 1996年 標準価格29,800円
前モデル(CT-100)から全面的に改良しビジネスユースに使えるようになった最小PDA
初代ChipCardはマニア向けのイメージが強かったが本機は機能や操作性を大幅にアップグレードしPDAとして実用性が増したモデル。
液晶面は320×200のSTN液晶で72×24だった前モデルより非常に見やすくなっている。この当時の解像度としては立派。
また、これも前モデルではカタカナ英数字のみの表示が漢字までもサポートするまで進化した。
本体表面はThinkPadと同様な艶消し塗装となっていてPCとの連携を意識したものとなっています。
キーデザインも電卓的な前モデルからなかり使いやすくデザインされていてPDAとしてのスタイルはここから始まったのかもしれません。
標準で保護ケースもついてきてバックなどに入れて持ち運ぶ際にコネクタ部にゴミなどが入る心配がありません。
サウンド機能もありスピーカーも内蔵されています。スペック的には前モデルと同じEPSON製CPUSMC8812(8bit)でSDRAMも128kであります。
液晶部と操作系に分けたデザインは折りたたむとPCカードTypeⅢとなり開いた状態ではTypeⅡとして取り扱うことができます。
本機の電源(電池)は汎用のリチウム電池(CR2016等)ではなく空気亜鉛電池(PR233)で現在では流通量が少ない電池です。
なかなか流通しなくなってしまいました。
当時はThinkPad230csといっしょに使っていました。
本機の特徴は液晶が大きくなり漢字が扱えることにより本格的な住所録や電話帳をPCとシンクロさせることができたりテキストブラウザとしての使われ方もありました。
本体スペック
カードタイプ TYPEⅡorⅢ
CPU SMC88112 (8bit)
メインメモリ 256KB(うち219KBユーザー領域)
液晶 STN液晶ディスプレイ
320×240ドット(バックライトなし)
キーボード 24簡易入力キー
JIS第一、第二水準漢字フォント内蔵
電源 空気亜鉛電池PR2330×3
対応OS IBM PC DOS/V 6.3以上
Microsoft Windows 3.1以上
OS/2 V2.1以上
バンドルソフト ソフトウェアキット
付属品 取扱説明書、保証書、ケース
本機を更に進化させたのがスマートフォンの前駆体のようなDataScopeでなり両者を並べてみるとVX-200からの進化がわかると思います。
本機は以前紹介したdatascope(京セラ、DOCOMO)ベース機でした。デバイスで厚みや重量は異なりますが本機くらいの重量でdatesopeが発売されていたら面白かったと今思います。
前モデル(TC-100)はこんな形でPCが作れるんだというIBMの遊び心が感じさせられたモデルでしたが本機はビジネスユースにも耐えられ本格的な最小PDAとして作られた製品でした。
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