PC-98HA (NEC) 1990年 198,000円
遅くなりましたが今年もよろしくお願いしいます。
年末に母親が心不全で入院し、その対応に追われていてなかなか更新できずにいました。
携帯できるPC98を目指したA5モバイル機。
PC9801という名称でも互換性がなかったPC-98HA。愛称はHandy98でした。
90年代初期にA5サイズは画期的で当時こんな小さいPC98が作れることに感動しました。
パネルのHANDY98の文字。プリントではなく彫ってあります。
キーボードはタイピングには向いていません。当時小型化する上で犠牲になった部分ではないでしょうか。
フルタッチはなかなか難しく。ボタンを押すようなイメージです。
キーの間はかなり間隔開いているのでもう少し工夫ができたような感じがしますが。
正面左側はPCカードスロット(PCMCIA1.0)です。非常にカードが高価だった記憶があります。本体にもメモリ(640k)はありましたが電源が切れれば消えてしまうのが欠点。
PCカードとRS-232C、プリンターポートがあります。
背部は電源。(ACとバッテリーは別)
右側はシンプル。内蔵バッテリーほボタン電池のスロットのみ。
本体スペックは
CPU:V50(10MHz)
ROM:日本語MS-DOSVer3.1 N88-BASIC(86)LT 辞書ROM(6万語)
スケジューラ
HANDY98メニュー
RAM:640KB
FDD:なし(ドッキングステーションにて接続可能)
HDD:なし
RAMドライブ:1.25MB(EMSとして使用可)
VRAM:32KB
グラフィック:640*400ドット モノクロ1画面
インターフェイス:プリンタ(セントロニクス準拠)RS-232C (9600bpsまで)
カードスロット:JEIDA Ver4に対応
レジューム機能:バッテリーフル充電時45時間、ローバッテリー時約1時間保持可能
拡張バス:ドッキングステーション接続用
ディスプレイ:反射型モノクロ液晶搭載
サウンド:BEEP
外形寸法:234W*148D*36H
温湿度条件:10~35度C、20~80%(但し結露しないこと)
電源:バッテリー駆動で約7時間 アルカリ乾電池駆動で約6時間
消費電力:約2W(充電を含む)
重量:1.1kg(バッテリー込み)
主な添付品:ソフトケース、ACアダプタ、バッテリーパック
本機の課題は互換性でした。プログラムレベルでの互換性が低かったことでそれほど一般的には普及しませんでした。業務用のプログラムをPCカードに搭載して使われることが多かったようです。
プログラムレベルでは互換性が低かったですが付属のMS-WORSはかなり使えました。しかし作ったファイルを持ち出すことがなかなかできず、また専用のプリンターケーブルが高価で使い勝手はいいものではなかったです。
当時NECが目指していたものはある程度PC-98と互換を保ちながら小型のポケコンや当時流行っていた電子手帳を1つのデバイスにまとめるのがもくてきだった。
電源を入れると内臓のHANDY98メニューが起動します。画面の通りF1でスケジュール、F2でMS-Worsk起動、F3でRAMドライブ、F9ユーティリティ、F10 でMS-DOS(3.1)
一応スケジュール管理や付属のMS-Worksである程度のことはできました。 3453
デザイン的には適度な曲線をうまく使ってただ使うだけのPCから所有する楽しみを与えてくれた1台だと思います。
本機は持ち運べて、スケジュール管理や文章等のビジネス的な作業が1台で携帯できるコンセプトのマシンだったと思います。またデザインも当時としてはかなりコンパクトにまとめられていたのでよかったのですが低い互換性がこのマシンのコンセプトをマスクしてしまったような気がします。
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