CT-970 (PIONEER) 1980年

オーディオ機器

CT-970 (PIONEER) 1980年 標準価格115,000円
個性的なデザインと多機能を持ち合わせた当時のハイエンドデッキ。

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各操作系(ボタン類)を右側のパネルに集中させ、パネル中央に各種表示を持ってくるデザインで当時のカセットデッキ(CT-980,970)、アンプ(A-980)、チューナー(F-780)とも共通するデザインでした。

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電源を入れると各インジケーターが点灯します。当時のPIONEER独特のデザインで私は好きでした。

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本機の特徴はリボンセンダストヘッドと呼ばれるPIONEER独自の高性能ヘッドで高いSN比,広いレンジをもつ優れたものでした。

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イジェクトボタンを押すとパワーイジェクト機構よりモーターからのトルクでゆっくりと開いていきます。(後発のCT-980はこのような機構ではなくシンプルで安っぽい)

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またカバーもスチール製で高級感があります。

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また、もう一つの特徴としてAuto BLEシステムがあり4bitCPU制御により音バイアス,録音レベル(テープ感度)。録音イコライザーを個々のテープに自動的に合 わせるいわゆるオートチューニングシステムです。

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スイッチ一つで,バイアス,レベル,イコライザーが基準信号をもとに各16ステップの中から最適値に設定され,約10秒でチューニングが完了し,録音スタンバイ状態になるというもので現在もしっかりと機能しています。中央のスイッチはメモリーストップ/プレイ機能。右側はIN/OUTボリュームです。

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テープセレクター(手動)とタイマースタンバイスイッチ。留守録や目覚まし再生ができます。

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ノイズリダクション機能としてドルビーBを搭載しています。またRecミュート機構もあります。

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Auto BLEの調整中はフロントパネルのLEDが点滅し、調整が終われば自動的にスタート位置にまで巻き戻されて録音スタンバイ状態となります。

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本体の右側に操作系のボタンが集中配置されているのも特徴の一つです。

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正面がディスプレイ部には集中表示ボードを採用しています。大きめLEDレベルメーター、4桁電子カウンター、信号ルート、Auto BLE動作、テープの種類、ドルビーNRシステムのON/OFFなどをLEDで表示します。

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16セグメントのLEDレベルメーターには2色LEDピークレベルでこのメーターは-30~+10dBの表示が可能です。

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背部の端子類はシンプル。

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本体スペックは
トラック形式 4トラック2チャンネルステレオ
ヘッド 録音:リボンセンダスヘッド
再生:リボンセンダストヘッド
消去:特殊合金ヘッド
モーター   :定速ドライブ用 クォーツPLL DDキャプスタンモーター
リールドライブ用 コアレスモーター
回転ムラ  : 0.023%
早巻速度 :90秒以内
周波数特性:Auto BLE使用時(-20dB録音) 30~16,0000Hz±1.5dB
SN比    :ドルビーOFF 60dB以上
ドルビーON 70dB以上(5kHz以上)
歪率 :1.2%以下(0dB)
操作部 :フェザータッチ式ダイレクトチェンジ
入力 :(感度/最大許容入力/インピーダンス) マイク×2 ライン×2 ピンジャック
出力 :(基準レベル/最大レベル/負荷インピーダンス) ライン×2 ピンジャック ヘッドホン 6mmφステレオジャック
外形寸法 :420W×130H×358Dmm
重量 :9.2kg

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付属機能 :Auto BLEシステム(自動バイアス・レベル・イコライザー調整)
ドルビーシステム(LED表示付)
ピークホールド機能付2色LEDレベルメーター(-30~+10dB)
4桁LEDテープカウンター
バイアス微調整用ボリュー,メモリーストップ/プレイ,タイマースタンバイ機構,自動テープたるみ除去装置/ATLC
RECミュート,カセット背面照明,パワーイジェクト機構,テープ走行インジケーター,テープ残量インジケーター

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本機は当時としては10万円を超えるハイエンドデッキで1981年にグッドデザイン賞を受けるほどデザイン的にも評価が高いデッキです。しかもただデザイン優先のデッキではなく物量をかなり投入したPIONEERの自信作だったと思います。SONY製のデッキで聞く機会が多いですが音質的にも透明感があり、レンジも広くAutoBLEにより実際の音との差も少ない優れたデッキだと思います。

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