Beta Hi-Fiビデオデッキ SL-HF66 PCM録音

映像機器
 
Sony初のHi-Fiデッキでしたが仕組み的にはノーマル機からFM変調したステレオ音声を映像信号と混合した上で、同じヘッドで記録する点である。互いに影響が出ないように周波数を分ける必要があるため、音声信号は2つある映像信号(色と明暗)の周波数の隙間を利用してテープの保存しています。 
ノーマルのβ方式はVHSと比較しても画質は良かったのですがステレオ音声と映像を同時に記録したため周波数の干渉は避けられず、音声信号が映像上に縞状のノイズとなって表れる欠点がありました。 
それを克服したのがその後に発売されたHi-Band β-Hi-Fiでした。本機は音声のHi-Fi化の初期のデッキでした。
正面を見るとテープを覗けるトップウィンドウ。上位機種のHF-77はシャッター式ですがこのタイプのほうがテープタイトルなど判りやすいです。 
基本操作系。物理スイッチで操作し易い。録音レベルボリュームはシングルタイプなのが残念。
FLは情報量が多いタイプ。オーディオレ ベル、記録時間のほかに、タイマー予約のためのプログラム・ナンバー、チャンネルや、 テープの動作表示、録音方式、録・再モー ドなどの表示がされます。しかも、それぞれは必要なときだけ現われるので、情報がシンプルに読み取れます。 
音声レベルメーター。ワイドタイプで最高レベルをキープピークホールド機能もついて、音楽優先設計ならではの機構です。
 
中央にはカウンターリセットとテープリターン。テープ操作に便利で見たい部分や聴きたい部分でカウンター 表示をゼロにしておけば、テープのどこか らでもこのボタンひとつで早送り、あるいは 巻戻しがスタート。ゼロ表示付近で自動的にテープが停止します。
 
本機も操作系パネルが開くタイプ。パネルを開くと左側から入力切替系。BGAV(バックグラウンドオーディビジュアル)機能。テレビ 映像に、FMチューナー、CD、PCMなど好みの音を同時にミックスして記録ができました。(VHSはサイマルキャスト) 
映像/PCM切換スイッチ。PCMプ ロセッサーによるデジタル録音や、他のビデオデッキからのLINE映像信号が入力できます。
ノイズを除くくフィルタースイッチ>。パイロット倍号がそのまま出力端子に出ている FMチューナーと組むとき、このスイッチをON。FMチューナーを選びません。
ベータハイファイ音声出力と従来トラッ クの音声出力を切り換える<音声モニター 切換>。ベータハイファイ、ミックス、ノーマルが選べます。 
タイマー部。使いやすい対話式で2週間4プログラムタイマー録画が行えました。クイックタタイマーにも対応していました。 
ベータハイファイ音声の主/副切換>。 ステレオの場合は、ステレオとモノラル。二重音声の場合は、主、の選択ができます。 
チューナ部。使い易い10キー仕様。高性能なオーディオ機器 に使われているのと同じスプリットキャ リア方式を採用。ステレオ放送や二カ 国語などの二重音声放送を録画できました。 
背部です。アンテナ入出力端子と映像、オーディオ系のRCA端子が並びます。その隣にはPCMやカメラリモート端子など。 
本機は現在でも録画、再生が可能でした。実際に録画してみましたが、録画画像は普通に見られますがノイズが発生してしまい、トラッキング調整しても完全には改善されません。(それなりに見れます)正常な録画テープも同様でおそらく再生系の回路(基板)に問題がありそうです。 
本機は音声がHi-Fi化されたことあり、従来のビデオデッキからよりオーディオよりのデザインに変わってきた時期でした。 
特にブラック基調の筐体とシルバーフレームのデザインはソニーらしい質感の高いものでした。 
このデッキにはPCMプロセッサーとの組み合わせがオーディオらしい1つの使い方でした。 
PCMプロセッサーは現在でも2台ありますがPCM-501ESを接続してみました。 
接続は久しぶりなのでまにあるを見ながら接続 
映像、音声ケーブルをデッキ本体に接続します。 
βテープを挿入。当時はソニーや富士フイルムのテープはカセットテープっぽいデザインで気に入っていました。 
テープをセットし録音レベルの調整を行った後、ユニバーサルプレーヤー(DV-AX10:PIONEER)から出力して録音してみました。  
PCM-501ESは16ビットフォーマットで録音が出来るため、録音したテープは、従来の14ビットシステムよりダイナミックレンジや歪率を改善できています。 
録音媒体がカセットテープしかない時代で、アナログテープでデジタル録音ができるのはDATが登場するまでは唯一の方法でした。 
デザイン的にSonyらしいオーディオデバイスと調和するデザインは他社にないものでした。特にブラック基調の筐体は当時のPCMプロセッサーともデザイン的も相性が良かったです。 
PCM録音は現在のデジタル音声のような圧縮技術でななく、非圧縮のため元の音源をそのままデジタル化します。
 

今更、テープによるアナログ録画は実用的ではありませんが、久しぶりに当時録画したりレンタルビデオのダビング映像やPCM録音を行うのも楽しみの一つです。

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