ビクターが開発したS-VHS規格の初号機
当時の映像録画方式(アナログ)はVHS、β方式がありVHSは画質指標となる水平解像度が240本であり、アナログ放送を記録するには十分はスペックでした。
しかしNHK-BSなど衛星放送が高画質化していくなかVHSの解像度を超える規格が必要となりこのS-VHS規格が策定されました。S-VHSは水平解像度400TV本以上あり従来の映像以上の鮮明な記録ができるようになりました。
本機はこのS-VHS規格の初号機でありVHS規格提案メーカーであるビクターが物量を投入したレコーダーです。この頃はソニーもHi-Bandβ方式を出しており私もHi-Bandβを好んで使っていましたので購入したのは2000年頃中古で購入したものが眠っていました。
眠っていたのは訳がありフロント部が破損しており映像自体は録画再生も問題ない状態でしたが結局放置(保管)されたままでした。
今回、ジャンク品(電源は入らず)を調達しフロントのパネル部分を交換し復活させました。
内部は初号機だけあり物量はなかり投入されています。
フロントのパネルを入れ替えるだけですがかなりの数のコネクター類を指し直しました。
交換したかったのはこの部分のカバーが欠損していたものを入れ替えました。
筐体は初号機としてはスリムで主要なボタン類は格納式となっている。
機能的にはS-VHS方式に加え、ノーマルVHSもHQ技術によりより鮮やかな画像。音声もステレオHi-Fi方式に加えサイマルキャスト記録。インデックス機能としてVISS,VASS機能など多機能なビデオデッキでした。
正面左側。電源ボタン、EJCET、TV/VIDEO切替えがあり各種インジケーターを備えています。
右側FL管ディスプレイ。レベルメーター、時刻、プログラム番号、カウント、チャンネル等の表示がされます。
左側はインデックス系、操作系ボタンが並びます。
右側はオーディオ系のボリューム。各種トラッキング、切替えキーなどが配置されています。
背部です。S出力端子付きの出力系とピンプラグの入力系が配置されています。S入力は前面のみです。
本機は本格的なデジタルサーチ(VASS:高速頭出し)を搭載しています。再生(録画)中にVASSキーを押し、数字入力後にMSRKキーで登録することにより分単位で呼び出しができる機能でした。特に音楽系映像の頭出しには便利でした。
本体スペックは
録画方式:回転2ヘッドヘリカルスキャン輝度信号FM方式、色信号低域変換直接記録方式
ハイファイ録音方式:ステレオHi-Fi VHS規格 深層記録方式
音声トラック:ハイファイ音声トラック 2チャンネル
ノーマル音声トラック 1チャンネル
映像信号:NTSC
テープ速度:標準モード 33.4mm/sec
3倍モード 11.1mm/sec
最大録画再生時間:標準モード 2時間40分
3倍モード 8時間
音声周波数特性:20〜20.000Hz
ダイナミックレンジ:90dB以上
ワウ・フラッター:0.005%
外形寸法:435×95×337
重量:8.6kg
BD(中島みゆきConcert「一会」(いちえ)2015~2016)をS-VHSテープに録画し、モニター(PROFEEL_KX-34HV2)に接続してみました。
映像的にはS-VHSの初期のタイプでベストのコンディションではありませんがVHS映像と比べると解像度も高く良い画です。
VHSのリファレンス機HR-D725と並べてみました。この頃のビクターのデッキはオーディオとマッチングもよく、デザイン的にも洗練されていたと思います。
この頃のビデオデッキンというデバイスは多機能でメカニカル(ボタン類がなかり多い)なデザインが特徴でした。
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