ハイビジョンを、そのままの美しさで残す。ソニー BDZ-S77が刻んだレコーダー進化
世界初のBDレコーダー(1世代:23GB)で当時は45万円と高額でまたBlu-ray規格が正式(BD-ROMの規格制定)ではなかったため、マニアしか買わなかったマシン。本機は通常のBD-ROMの再生も出来ません。
BSデジタル放送が始まり、日本の茶の間に本格的なハイビジョン映像が届くようになった2000年代始め。当時の家庭用レコーダーにとって、ハイビジョン映像はあまりにも大きすぎるデータ量でした。DVDには収まらない。VHSテープはそもそも論外でテープメディアでデジタルハイビジョンを録画できるのはD-VHS規格しかなく。そんな時代に、日・韓・欧の主要電気機器メーカー9社が結集して策定した次世代光ディスク規格がブルーレイディスクでした。

CDやDVDと同じ12cmのディスクでありながら、転送レートはDVDの約5倍にあたる36Mbpsを誇り、BSデジタル放送のハイビジョン映像を映像音声多重化方式(MPEG-2 TS方式)そのままに、2時間以上録画することを可能にしました。さらに5.1chサラウンド音声もMPEG-2 AACのままデジタル記録できる。BDZ-S77はそのブルーレイディスクを搭載した、世界に先駆けた民生機でした。

外観は初号機だけあってコストをかけ、天板を含めアルミ削り出しの筐体は非常に重厚な作りになっています。デザインコンセプトは「フローティング・デザイン」でした。フロントと天面に厚さ3mmのアルミパネルを使用し、サイドパネルにはアルミと同等の高剛性BMC(Bulk Molding Compound)材を採用。本体の外装がシームレスにひとつながりとなり、まるで浮かんでいるような、新鮮な存在感を実現している。天面・側面・取り付け用のビスをいずれも正面から見えない構造とし、あらゆる角度から「ビスやガイドの見えないプレミアム」を体感できる。
フロントディスプレイは一体成形・多層蒸着仕上げ。アクリル製のつなぎ目のないパネルに、深みのある多層蒸着を3μm重ねることでブルーの色調を表現しています。そこに動作状態を知らせる表示部が光ることで、重厚感の中にメッセージが浮かび上がるような視覚体験を作り出しています。

目を引くのは、やはりアルミ製の天板。

正面左側が静電容量感知式タッチセンサーの電源スイッチ。押すのではなく触れる感じで電源が入る。

本機の最も印象的な機構がリンクモーションドアです。右側のUP/DOWN OPEN/CLOSEキーも同様の静電容量感知式タッチセンサーで触れるだけで反応します。

開閉ボタンを触ると押すと、ドア全体が滑らかに下がりつつ手前に引き出されるような独特の動作を見せます。この動きは不等辺四節リンク(クランクレバー)メカニズムによるもので、開閉に要する時間は約3.5秒。ディスクを素早く着脱できる実用性と、優雅な動きによる高級感を同時に成立させた設計です。開閉ドアの内側もまた高精度な仕上げにこだわり、ディスクを装着した後で内部が見えない構造となっています。

動作状態を知らせるディスプレイ部には、継ぎ目のない一体成形多層蒸着仕上げのアクリル材を使用。表示が消えるとパネルと一体化し、ノイズのないミニマルな美しさを実現しています。

左側は録画・再生などのボタンとB-CASカードスロットを装備。基本形のボタンしかないので実際はリモコンで操作。それとDVカメラ用のの入出力端子として、i.LINK端子が1つある。

右側はメニューの操作をするボタン類。

正面がドライブ部。再生可能メディア:BD-RE(Ver.1.0)、DVDビデオ、DVD-RW(ビデオモード/VRモード)、DVD-R、CD、CD-RW/R(CD-DA)
このカートリッジ入りBlu-rayディスクは現在のBD録画規格とは異なるBD-RE(Ver.1.0)という容量23.3GBのカードリッジ入りディスクにしか対応しておらず、互換性も乏しく本機とBDZ-V7/V9など対応機が限られている。

背部。端子系は左側に集中している。

地上波アナログRF、BSデジタル/アナログRF、アナログAV入力が2系統。アナログAV出力が3系統(1つはD4端子)、そしてデジタルオーディオ出力として、コアキシャルと光出力が1つずつ

2つあるi.LINK端子は、デジタルビデオカメラを接続してMPEG-2 TSで高品質にダビング保存できます。またもう1台のBDZ-S77と接続すれば著作権フリーのコンテンツはディスク間でデジタルコピーが可能でした。、ブルーレイならではの拡張性も持っていました。

付属のリモコン。スライド部が2カ所あり、操作はほとんどリモコン側で制御する。

2カ所のスライド部を開けるとかなり長くなる、TVのチャネルや音量を操作するボタンが側面に配置されている点が秀逸。

本体仕様
再生可能メディア:Blu-ray Disc、DVDビデオ、DVD-RW(ビデオモード/VRモード)、DVD-R、CD、CD-RW/R(CD-DA)
記録方式 映像:MPEG-2 音声:ドルビーデジタル、MPEG-2 AAC
映像音声多重化方式:MPEG-2 TS(トランスポートストリーム)
映像方式:NTSC方式、BSデジタル放送方式
受信チャンネル:VHF:1~12ch UHF:13~62ch BSデジタルテレビ、BSラジオ、BS独立データの各チャンネル CATV:C13~C38ch※1
アンテナ入出力:地上波:VHF/UHF 75ΩF型コネクターBS-IF:75ΩF型コネクター
入出力端子:DV端子,i.LINK端子(4ピンS100 1系統4ピンS200 (Blu-ray Disc専用) 2系統 )
入力端子:S映像,コンポジット映像
出力端子:コンポーネント映像 ,S映像
コンポジット映像:
D4/D3/D1(ボタンにより切り換え)出力端子1系統※2
力端子(音声系):光デジタル 同軸デジタル アナログ(L/R)
電話回線端子:モデム通信速度 2400bps
電源:100V AC、50/60Hz
消費電力:65W(コンバーター用電源「切」時、9W(電源「切」・表示窓「切」時))
外形寸法:(W×H×D) 430×135×398(mm)最大突起含む
質量:約14kg

以前紹介したBDZ-V7と並べてみました。どちらも機種も電動スライド式パネルなど初期のコストをかけた機種です。

この頃のソニーのレコーダーはスペック的にはパナソニックが肉薄していましたがデザインや質感は他社より高かった。

BDZ-V7/V9もBD-RE(Ver.1.0)容量23.3GBのカードリッジ入りディスクが再生可能だった。(録画不可)

本機はBlu-ray規格が全て決まっていない状況下での発売でなかりの先行投資となる機種でしたが、前回紹介したとおり内部の作りや外装も含めコストを度外視した丁寧な作りとデザインを提供してくれた1台であります。今後こんなデザインのレコーダーはおそなく出てこないと思いますが、現在のソニーもこのくらい大胆なデザインのデバイスを作ってもらいたいものです。





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