TRS-80 model100 (Tandy) 1983年
京セラが開発したKyotronic 85のクローンPC
元々は京セラがKyotronic 85として開発、販売したPCでしたが市場では受け入れられずライセンスを複数の企業が取得して販売されたPCが存在しました。実際には本機の他にNEC:PC8201とOlivetti:Olivetti M10が存在しました。

今回はまだ紹介していなかったタンディ製のハンドヘルドPCを中心に久しぶりに起動確認してみました。

アメリカのタンディ・コーポレーションが作製したKyotronic 85を忠実に再現したハンドヘルドコンピュータ。

本機は 米タンディラジオシャック社が発売し、 外観・性能は一部違いますが全体的にはNECのPC-8201によく似たものとなっています。

液晶部は40文字✕ 8行表示可能の大型が特徴で,240✕ 64 ドットの グラフィッ ク表示も可能でした。

キーボードは標準的なASCII配列で日本仕様とは若干異なっています。 NUMキーによりテンキーモードにすれば、キーボードの右側 の部分をテンキーとして使用できました。

そもそも米国で発売されたPCのため、カナを使用することはできない。(その代わりに、独語。仏語など各種国際文字や色々なグラフィック文字を使用できる 。)

キーボード自体はデスクトップPC並のでサイズの大きく、打感もあり非常にタイピングし易いです。

本体左側。 8151


背部のインターフェイス類。RS-232C、プリンター、モデム、CMT端子が並びます。

電話回線用モデムを内蔵しているので、ケーブルを電話器接続用のコネクタつなぐだけで、電話回線を通じてデータのやりとりができる。内蔵モデム以外にも,当時は外部に音響カプラを接続することもできました。

右側。電源スイッチ、LCDコントラストボリューム、電源端子。


カーソル、ファンクションキー部。ここら辺はPC-8201やOlivettiM10とレイアウトが異なります。

アプリケーションとして電話回線を活用するための” TELCOM” マイクロ ソフト社 製の”model100 BASIC”,ワードプロセ ッサの機能を持づ” TEXT”,簡易スケジュール管理プログラム” SCHEDL” 、住所録プログラム” ADDRSS”の5つが標準で内蔵されています。

SCHEDL, ADDRSS,TEXTには文字列 サーチ機能があるので、 小規模のデータベースとして使えるものとなっています。ADDRSSで作成したファイルをTELCOMサーチして、該当の電話番号を内蔵モデムにより自動的にダイヤルすることもできました。

BASICはマイクロソフト社製のもので、関数は標準で倍精度演算を行うなど科学技術計算にも十分使用できる強力なものとなっている。当然ですが日本語版ではありません。
本機はオリベッティ M10はどちらもインテル80C85プロセッサを使用しています。久しぶりにBASICを動かしてみました。以前8bit機で行っていた1000回ループでの時間測定です。
5 TIME$=”00:00:00″
10 A=0
20 For I=1 to 10000
30 A=A+1
40 NEXT I
50 PRINT A
60 PRINT TIME$
結果では1分15秒で大分遅いです。

このTSR-80のオートテレフォンダイヤル機能は非常に便利な機能であり、当時米国では認可されていましたが、日本では未認可でるので、国内ではこの機能を使用することはできませんでした。

久しぶりにTRS-80Model100でBASICを動かしてみました。この時代はプログラムを打ち込んでPCを動かすことが主流でこの手順が懐かしく感じました。ダンディは家電メーカーらしいシンプルで使い易いデザインでアメリカでは成功したと言われています。このフルキーボーを持ちながら当時のノートPCより小型化したコンセプトはビジネスなど持ち出しの多いシーンにはニーズがありました。

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