ThinkPad701CS_2630-5SW (IBM) 1995年
バタフライキーボードという分割格納式を採用したB5サイズのThinkPad
液晶パネルを開くと、連動して中央で2つに分割されて格納されているキーボードが鳥の羽のように広がる仕組みであり、蝶の羽のように見えるために「バタフライ」と呼ばれました。正式名は「TrackWrite」
通常はB5サイズのスタイルを維持しています。
正面からです。2つのクリップを押しながら液晶を開きます。
右側はバッテリー、脱着式HDD、PCカードスロットです。
側面はシンプルで赤外線(IRDA)とポートアプリケーター用の端子のみ。
左側は電源、電源スイッチ。パラレル端子、オーディオ端子です。この電源スイッチがくせ者で液晶を開くとキーボードが開くので電源スイッチが隠れてしまうのと、スイッチ自体の構造に問題がなるのか、電源を入れるのにコツがいります。
パラレル端子はこんな感じです。FDDはこれに接続します。
それでは、液晶を開いてみます。
開きはじめると内部の格納されていたキーボードがこのように開いていきます。
この仕組みは当時では革新的な技術として注目されました。
キーボード自体もしっかりとした作りで、マウス代わりのトラックポイントも含め非常に使いやすいです。
本機は701C のコストダウン版で液晶がTFTからDSTNへと変更されました。TFTと比べるとコントラストや視認性は良くありませんが当時701Cが75万だったことを考えるとコストパフォーマンスは高いです。
OSはWindows3.1からWindows95にバージョンアップされています。
スペック的には486DX4なのでWindows98まではアップグレードできますがいまさらあまり意味がありません。
本体スペックは
CPU Intel DX4-75MHz
RAM 8MB Max 40MB (72p/SO-DIMM/3.3V) 現状12MB
HDD 540MB (E-IDE)
CD-ROM 無し
LCD 10.4″ DSTN-VGA
VGA CT65545 (V-RAM : 1MB)
MODEM 内蔵 14.4k
電源を入れるとWindows95が未だにしっかりと起動します。
FDDはパラレルインターフェイスで接続する今となってはめずらしい接続です。
発売当時はなかなか高価でなかなか手がでなかった機種ですが、バラフライキーボードの構造は私のなかにずっと気になる存在でした。なかなか状態の良い機体が手に入ってこの構造(収納動作)のすばらしさを改めて感じました。(バタフライ構造のため変わったヒンジです。)
本機は、発売された当時はB5サイズでフルタッチができるなど斬新かつ機能的なマシンであり他のNotePCとは一線を画すものでした。但し価格が高価だったこととCPUスペックが非力(Intel DX4/75MHz)だったことから商業面ではイマイチでした。
このようなコンセプトのマシンを当時作れたIBMは私はすばらしいと思います。残念ながらその後の後継機種が続かなかったのが残念です。
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