銀色と薄紫色が織りなすVAIO PCG-505R Series(RX,RS,R)。
あの頃、誰もが憧れたバイオカラー。

ジャンクな505RS
ジャンクで送られてきた505は505シリーズでは第3世代だっと思うPCG-505RSです。(この写真は修理してキーボードも張り替えた完成形)
商品説明では電源線など無いため動作未確認となります。古いものですので汚れ等あります。こちらでは未清掃でお送りします。とありました。
1,680円のVAIO PCG-505RS
送られてきた505を開封してみました。当時VAIOロゴ入り本体カバーに入っていました。
若干汚れはありますが、よくある天板のキズやボディの劣化、インターフェイスカバーの欠落はなく、以外と良い状態でした。
パネルを開いてみました。、ボディーシールも貼られたままで良い状態です。 6613
特に505はボディがマグネシウム素材で経年劣化で酸化や塗装剥げのリスクがありますがこの個体は劣化は進んでいません。
ボディシールが残っているのも直すモチベーションを上げてくれます。
残念ですがキーボードは劣化が進み、元の状態とは異なり黄ばんでいます。(505のキーボード黄ばみは時間が経過すると大体はこうなります。)
キーボードを除けば、ボディの劣化も少なく、パネルもビネガーシンドロームを発症しているわけでもなく起動しないだけで良い状態です。
本体は、25年以上が経過しているのでバッテリー、内蔵電池は期待できず、特に505はバッテリーが装着された状態では起動すらできませんでした。
原因はバッテリーか内蔵電池の劣化が想定されます。円形型のバッテリーを外し電源アダプターを装着して電源をいれてみたところ起動します。 
505起動時のもう1つの課題は電源横にあるプログラマブルパワーキーの不良です。このスイッチの不良により起動しないこともありますが本機は問題無くBIOSまで起動しました。
起動しましたが、途中ので停止。本体からは異音がします。
BIOS画面ではメモリは上限の128MBまであり、IDEのプライマリーが見えていません。 6624
したがってHDDが不良です。たしかにボディから若干モーター音が不規則に聞こえます。 6623
これらのことから本体を分解してHDDの交換を行うことにしました。 
本体を分解してHDDの交換。
HDDからSDタイプのSSDアダプターへの変更
505の分解はまず、ヒンジ部のリング2カ所を外すことから始まります。
これがけっこう大変で上手く外さないと割れてしまいます。マイナス精密ドライバー2本で根気よく、ゆっくりと外して行きます。

背部の8カ所のネジを外します。
ボディを開く時に手前のスライドパット部のフレキシブルケーブル(注意)を外します。
これでボディが外れてマザーボード、HDDにアクセスできます。
今回は手前の2.5インチIDE HDD 4.3GBを入れ替えます。HDD自体は両脇のフレームを外せば取り外しが行えます。
取り出した4.3GBの東芝製のHDD。30年近く経過しているので故障するのも仕方ないことです。
故障したHDDと交換するSDタイプのSSDアダプター。SDカードは4GB用意。
IDEケーブルと接続します。向きに注意。
仮止めしてから本体を起動。BIOSではSD4Gを認識してくれます。
本体右上に内蔵電池があります。けっこう液漏れしてマザーボードを腐食する場合がありますがこの個体は大丈夫だったので外します。現在ではアマゾンでも購入できるので必要なら入れ替え可能です。(但しコネクター形状が異なるのでオリジナルから外します。)
あとは元に戻すだけです。HDDスペースがだいぶ空いてしまいますがカードを固定して戻します。
MMXPentiumは基板に直付けされています。 
リカバリー Windows98とオリジナルアプリのインストール
リカバリーディスクから本体リカバリー。
液晶もバックライトの劣化(輝度ムラ)も少なく輝度も問題ありません。
システムをSSDに復元するためにPCカードタイプのCDーROMを装着してリカバリーディスクからシステムを復元します。
505の場合は気をつけるのがリカバリー時にパネルの開閉スイッチが基板上にありますがOFFの状態でリカバリーしてもerrorになるのでONの状態で行うことが必要です。(写真の状態ではerrorになります)
SSDのパイロットランプが意外と目立ちます。(ボディを完全に閉めると見えませんが)
リカバリーは20分程度で終了。
システム(Windows98とオリジナルアプリケーション)のリカバリーが終了。 
当時、よく使ったDVgate。DVカメラをi.LINK(IEEE 1394)経由で接続してキャプチャーしていました。
PictureGearも懐かしい。Cyber-shotと繋いでいました。 6671 6672 6673

地図ソフトのNavin’ You。当時は画期的でした。VAIOにGPSモジュール繋ぐと地図のトレースができました。
同時にOffice97(Word,Excel、PowePointなど)も復元。
SSD化とリカバリーが完了。 
VAIO PCG-505RS
あらためて505を短時間ですが動ける状態にできました。本機は当時としては究極のモビリティを実現したマグネシウム合金ボディが特徴でB5ファイルサイズでありながら、厚さわずか22.2mm、重量約1.22kgという驚異的な薄型軽量化を実現していました。
本体は薄型でありましたがPCカードスロットを装備し、このスロットで各種PCカード(メモリカード、MIDI音源カード、アナログジョイステックカード、GPSカード、LANカードなど)や電源不要のCD-ROMドライブなどを接続できました。
隣は電源スイッチと私的は悪名高いプログラマブルパワーキー。
Cyber-shotとの連携にしか使わなかった赤外線通信ポート。
反対側はヘッドホン、音声出力、USB1.0とi.LINK(IEEE 1394)端子、電源コネクター。
その隣がフロッピーとポートリプリケーターのコネクタ。このカバーも経年劣化でボロボロになりやすい。 
タッチパット部。VAIOのポインティングデバイスは感圧式のパット。感圧式はモジュールを薄くできるのがメリット。
黄ばんだキーボーだけが残念。
SSD化するとHDDインジケーターが常時点灯してしまいます。
液晶パネルは10.4型 SVGA(800×600ドット)TFTカラー液晶。上位モデルのRXはVGA仕様になります。
VAIO505の特徴の1つである円形型のバッテリー。ヒンジ部分が円筒形状になっていて、そこにバッテリーが仕込まれていました。
紫がかったフレームの色は、当時のVAIOブランドカラーと一致しており、機能部品でありながらデザインアクセントとして機能していました。
液晶側面にはスタイラスペンをも内蔵していて、オリジナルアプリの手紙メモなどに使用できました。(あまり実用性はなかったような気がします。) 

オリジナルに近づけるためにキーボードの補修
せっかく良い状態に仕上がったのでキーボードもオリジナルに近づけます。再度ヒンジ部のリングを外し本体からキーボードを外します。
黄ばみの進んでいないキーをパンダグラフからきれいに外して1つづつ入れ替えていきます。代替のないキーは過酸化水素液と日光(紫外線)で黄ばみを落とします。この時期(6月)で日光が当たっていると半日ほどで元の状態に戻ります。(放置しすぎると色が抜けてしまします。)
やはり元の青紫キーはVAIOらしい。
キーボードが若干一部は完全ではありませんが、大体元の状態に戻りました。
入替前と後。だいぶ印象が違うと思います。 

本体スペック
CPU:MMX Pentium 266MHz
チップセット:Intel 430TX
メモリ:標準64MB(オンボード64MB) →128MB(SDRAMスロット×2)
セカンドキャッシュ 256KB マルチバンクDRAM
HDD:4.3GB Ultra ATA→SSD 4GB
ディスプレイ:10.4インチ TFTカラー / SVGA(800×600)/ 1,677万色
グラフィック NeoMagic MagicGraph128XD(NM2160)/ VRAM 2MB
OS:Windows 98
FDD:3.5インチ 3モード 外付け(付属)
PCカード:TypeII×1 / CardBus・ZVポート対応
インターフェイス:USB ×1 i.LINK(IEEE1394) S200 4ピン ×1
モデム:56Kbps V.90/K56flex 内蔵
赤外線:IrDA 1.1準拠
バッテリ駆動時間:標準バッテリ:1.5〜3.5時間 / Lバッテリ:3.5〜7.5時間
本体サイズ:W259 × D208 × H22 mm
重量:約1.22kg(バッテリ込み)
HDDモーター音もなくOSの起動はHDDよりかなり速く起動します。
元々所有していた505RSと並べてみました。
キーボードの黄ばみもあり状態はそれほどよくない機体でした。
元のRSはパームレスト部も505特有のマグネシウム合金の劣化が若干ある状態だったので良い仕上がりの505RSが出来上がりました。 

同時期モデルとの比較─PCG-505RX・505Rとのコンセプトの違い
PCG-505RX・PCG-505RS・PCG-505Rの3機種は1998年9月17日に同時発表され、いずれも同じB5マグネシウム筐体を共有しているが、それぞれが明確に異なるユーザー像を想定したモデルでした。

PCG-505RX
505シリーズ初の1,024×768ドット表示に対応した低温ポリシリコンTFT液晶を最大の売りとした最上位機でした。
ポリシリコン液晶はアモルファスTFTより発色・コントラストに優れるとされ、当時のノートPC用パネルの中では最先端技術に属した。しかしその分、消費電力がわずかに増加し、バッテリ駆動時間がRS比で1時間短く、重量も2g増加した。(XGAは確かにSVGAと比べると広い)
価格は約35万円と、RSより5万円高い設定だった。RXのコンセプトは「液晶の高画質を最優先するハイエンドユーザー」向け、写真現像や映像確認など、画面品質にこだわる用途を想定したものといえる。 
PCG-505R
CPUが233MHzとなり、i.LINKを省略し、HDDも3.2GBに抑えることで約25万円を実現したエントリーモデルでした。
薄さと軽さはRS・RXと同等ながら、映像制作やi.LINK活用を必要としないビジネスユーザーや学生層を狙った割り切りが見える。ただし、i.LINKの省略は当時すでに普及が進んでいたDVカメラとの連携を断つことを意味しており、将来的な用途の広がりという点でRSと大きく差が開く。
こうして並べると、PCG-505RSが「ベストバランス」の位置に収まっていることがわかります。
MMXPentium266MHzのCPU・4.3GB HDD・i.LINKという上位モデルの本質的な機能を共有しながら、ディスプレイこそ800×600ドットのSVGAに留まり、ポリシリコン液晶への投資を省いて価格と駆動時間をコントロールした。「高価なXGA液晶や極限の薄さまでは不要だが、VAIOならではのデジタルAVライフは存分に楽しみたい」という、最も現実的で実用的なスイートスポットを突いた絶妙なモデルがこのRSでした。
RXほどの尖ったスペックはないものの、標準的な厚みの筐体はRXが「液晶に賭けたモデル」、Rが「コストに賭けたモデル」とすれば、RSは「i.LINKに賭けたモデル」と言えます。
まとめ
VAIO PCG-505RSは、1998年という時代の最先端を凝縮したモバイルノートの到達点のひとつである。マグネシウム合金の薄い外装の中にMMX Pentium 266MHz・64MB SDRAM・4.3GB HDD・i.LINKというスペックを詰め込み、重量1.22kgでバッテリ込みの本体を仕上げたソニーの技術力は、当時の競合メーカーに対して明らかな優位を示していたことは間違え有りません。 6798
また、DVgate stillやMD Editor、Navin’Youといったソニー製プリインストールソフト群は、単なるおまけではなく「バイオでしかできないこと」を演出する重要な役割を担っていた。ハードウェアとソフトウェアを一体として設計するソニーの戦略が最も輝いていた時代の産物として、PCG-505は今も記憶に値する存在です。 6787
薄さ22mm・重さ1.22kgの金属の板が、カフェのテーブルに置かれてた。──そんな1998年秋の光景は、モバイルPCの可能性を最初に示した瞬間のひとつとして、VAIO史に刻まれるべきものです。 


コメント
初めまして。
VAIO懐かしいですね!
コメント欄で失礼致します。実は記事を書いておりまして、画像の引用についてご相談いたしたく思います。お声がけいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。