SL-10

オーディオ機器
ジャケットサイズのフルオートマチックアナログプレーヤー (Technics) 1979年  100,000円
世界は初めて、QuartzDDをレコードジャネットサイズに収めた1台。 
 
前回紹介した一体型ステレオコンポSA-C07と同様にアルミ合金を使ってコンパクトなデザイン。 
発売は本機のほうが早いのでSA-C07が本機に合わせたデザインになったのかもしれませんがスピーカーも含めたデザインは質感が高いです。 
構造的には2層に分かれていて上部のキャビネットが開く仕組みとなっています。 
両脇にあるスイッチにより開閉します。 
ターンテーブルはアルミダイキャスト製で重みがある。
スピード調整つまみは3モード(33,オート,45)特殊な回転(45回転LPなど)以外はオート。
上部のキャビネット部。リニアトラッキングトーンアームとMC型カートリッジ。 
このトラッキングトーンアームはレコードのヘッドと同じようにレコード盤を直線移動していきます。 
本機のトラッキングトーンアームは先端部にセンサーが内蔵されていて高度な偏角検出機構により走行状況をコントロールしています。 
このトーンアームの走行には回転精度の高いDCコアレスモーターにより静かで高精度のトレースができました。 
操作系はシンプルです。 
正面左側に電源ボタン。onするとスピードインジケーター、ストロボスコープ、トーンアーム走行インジケーター、イルミネーターが点灯します。 
操作パネルです。左からリピートボタン、キューインク(アームコントロール)、スタートボタン、ストップボタン。通常はスタートボタンによりオートプレイが開始されます。 
背部です。暗くなってしましましたが左からMM/MC切替えスイッチ、音声ピンプラグ、外部電源(DC)、AC端子。
音声(左右)は専用ケーブル(アース付き)です。 
インシュレータも劣化がそれほど進んでいなくいい状態です。 
側面です。普段はスタンドを使ってこのようなスタイルで使用しています。 
サイスはLPレーコードのジャストサイズです。 
PLレコードをセットするとこのような感じになります。 
キャビネットを閉じてスタートボタンでオートスタートし、内蔵のマイコンとオプティカルセンサーで回転数とレコードサイズが自動的に検出され演奏が開始されます。 
トーンアームはテクニクス独自のピボットボールベアリングによる4点支持のサスペンション構造で安定したトレースを行えます。 
トーンアーム自体はボディの構造上小型化されたアームとなっている。斜め置きも想定されたため比較的シンプルな構造となっています。 
本体仕様は
ターンテーブル
駆動方式: ダイレクトドライブ
モーター: クォーツPLL制御による、ブラシレスDCモータ
回転数: 33 1/3、45 rpm
ターンテーブル(プラッター)
アルミダイキャスト、裏面にゴムでデッドニング処理
回転数偏差: ± 0.002%以内
ワウ・フラッター:0.012% WRMS 0.025% WRMS (JIS C5521)
S/N比:56dB(IEC 98A unweighted) 78dB(IEC 98A weighted)
トーンアーム
形式: ダイナミックバランス型、リニアトラッキングアーム。ジンバルサスペンション軸受け
アーム有効長: 105mm
トラッキングエラー角度: ± 0.1度以内
アーム共振周波数: 12Hz
MCプリアンプ
SN比: 70dB(IHF-A)
周波数特性: 20Hz~20kHz ±0.5dB
定格出力: 2.5mV
歪率: 0.02%(Technics 70A IIとの組合せ時)
電源: AC 100V 50/60Hz、DC12V
消費電力
AC電源時 16W
DC電源時 6W
外形寸法: 巾 31.5 x 奥行き 31.5 x 高さ 8.8 cm
重さ: 6.5kg
このLPジャネットサイズに凝縮されたデバイスはデザイン優先のように感じられますが実際は驚くほどクリアなアログレコードのいい音質を提供してくれます。 
このSL-10の音質は同じフルオートプレヤーパイオニアPL-88と性格は違いますがサイズ以上のいい音を出力します。 
元々は前回紹介したシステムコンポ(SA-C07)といっしょに使っていました。 
デザイン的にも共通な部分も多くレトロ感はありますがモダンなデザインだと思います。 
本機は70年代後半から80年代前半のテクニクスのコンパクトステレオの中核をなすデバイスでした。 
システムコンポ(SA-C07)は何十年ぶりかに動かしましたが多少の劣化など一部障害はありますがこのメカニカルなコンパクトコンポを久しぶりに堪能しました。 

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