PC-9801F2(NEC) 1983年 定価398,000円

NEC(PC-80,88,98)

PC-9801F2(NEC) 1983年 定価398,000円
フロッピーディスクを標準装備し初代98の弱点を強化した二世代目の98

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当時NECは98をビジネス機として位置づけていたため初代98の弱点(漢字ROM、FD、CPU)を強化しハードウェアも全面的に作り直した意欲作。

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CPUも初代機にはクロック周波数5Mヘルツの8086互換チップ(16ビットNEC製μPD8086)が使われたが、本機にはには8Mzで動作する8086-2が採用されました。

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私が使った(買ってもらった)はじめての16bitマシンです。当時はまだ8bitマシンが主流でしたがアプリケーション(ゲーム)でもCPUスペックやグラフィック等の処理能力が求められるようになりこの頃から徐々にPCは16bitへ以降し始めました。

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久しぶりに実家から初代PC-9801と一緒にもってきました。本体はそれほどダメージはありませんでしたがキーボードの黄ばみがひどい状態でした。(前回参照)

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初代PC-9801が発売された頃はまだ16bitマシンの優位性がなかなか判りづらい感じがしましたが、本機はクロックが倍(8MHz)、今まで高嶺の花だったフロッピー(2DD)2台と漢字ROMまで標準装備されていて初代より10万円増で買えたのは感激でした。

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と言っても本体価格は398,000円だったので当時父親は相当無理したのかな。と今は思います。現在PCにこれだけの金額を投資するのはなかなかできません。

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私はこの機種ではじめてフロッピーの機能性と便利性を知りました。特に1枚のフロッピーに640kb入るので当時のアプリケーションは複数入れておくことができましたし、FDDのランダムアクセスの便利さを知ったのもこの頃でした。

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また、漢字ROMを標準装備していたため、後に一太郎Ver3.0などのワープロソフトを本格的に使えるようになったのも特徴です。

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デザインは初代のPC-9801に準じたスタイルですが2基のFDを装備しているため大分厚めのデザインになっています。

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当時のN88DiskBasicに搭載されているデモプログラムを立ち上げてみました。

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ベンチマークです。(ROM_basicで行っています。)
5 TIME$=”00:00:00″
10 A=0
20 For I=1 to 10000
30 A=A+1
40 NEXT I
50 PRINT A
60 PRINT TIME$
結果は17秒
PC-9801F2 17秒8086-2(8MHz)
PC-9801   23秒μPD8086(5MHz)
PC-8801 55秒μPD780C-1(4MHz)
MZ-700   30秒Z80A(3.5MHz)
X1(CZ-801) 30秒Z80A(4MHz)
PC-980EX4 6秒 80286(10MHz)
PC-980EX4 4秒 80286(12MHz)
PC-9801RA 2秒 Cyrix Cx486DLC(25MHz)
PC-286BOOK 4秒 80286(12MHz)
FM-7 14秒 MBL68A09(8MHz)
FM-8 23秒 MBL68A09(4.9152MHz)
MZ-2500(2000mode) 26秒 Z80A(6MHz)
MZ-2000 26秒 Z80A(4MHz)
PC-8201 47秒 80C85(2.4MHz)
MZ-80K 49秒 Z80A(4MHz)
MZ-80C 50秒 Z80A(4MHz)
HC-20 1分35秒 日立製 6301 614kHz
PC-2001 4分13秒 μPD7909

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本体スペックは
CPU 8086-2(8MHz)
メモリ 標準128KB、最大640KB
フロッピー 5インチ x 2(640KBタイプ)
漢字ROMは第一水準のみ搭載(第二、拡張はオプション)
グラフィックは8色中8色2画面表示
拡張スロット 汎用拡張スロット x 6
外形寸法 420(W) x 345(D) x 150(H) mm
発売 1983年10月

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N88DiskBasic。久しぶりに起動させましたがコマンドを思い出すのが大変。リスト表示はdirではなくfiles.

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9801F2専用のデモ画面。 1246 1248

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現在と比べるとかなりノスタルジックなデモ画面。 1249 1252 1253 1254 1255

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本機から、フロッピードライブ(2DD)、漢字ROMが搭載されたことによりビジネスアプリケーションを動かす土台となったマシンでこれらの機能が標準装備された98から一太郎や桐など国産の優秀なアプリケーションが生まれてきました。

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